𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦282 ページ33
***
「…」
千「…おい」
「…」
千「寝ろっつってんだ」
「…」
千「なんでガン見してんだテメー」
「よしよし待機中」
千「しつこ!!」
彼に抱き着いたのは良いもののやっぱり物足りない。
よしよししてくれないかなぁと淡い期待を込めて見つめていたらめちゃくちゃ嫌な顔された。
「えへへ」
千「テメーは超がつくほどメンドくせぇ女だって再認識したわ」
「面倒くさくても可愛いでしょ」
千「マジモンの性格ブス」
「千空にだけだよ」
千「いっちばん嬉しくねぇわ」
「ふふっ」
千「つか寝ろようるせぇな」
「やだ〜千空ともっと話したい」
千「無理。俺は寝る」
「ならよしよししてから寝よう?」
千「おーそろそろムカつくからぶん殴って良いかー」
「私の方が強いもん」
千「あ?ちびガキのクセに」
「さっき千空のチョップを止めたのは私ですよぉ」
千「…」
彼はムッとすると私の頬っぺたをガッと片手で掴んできた。
「んあー!!」
千「わざと負けてやったに決まってんだろ調子乗んな」
「だって!せんくうよわいって!みんないってた!」
千「アイツらが化けもんなだけだろどう見ても。俺は一般人だ」
「でもせんくうにわたしまけないよー!」
千「ほ〜〜ん」
「だってわたし、かくとうぎならってたし!」
千「んなら試してみろよ」
「ダメ。せんくうはきずつけない」
千「は?」
「だってよわいもん」
千「…」
私がドヤ顔を決めると彼はさらに私の耳を抓ってきた。
「いたぁあい!」
千「なんかテメーに言われっとマジで腹立つな」
「えぇ!!」
千「元気アホほど有り余ってるみてーだからテメー被検体にして今から実験でもすっかぁ」
「あー!!だめだめだめ!ごめんなさい!」
千「ククク」
「そんな実験よりよしよしを全力でオススメします!!」
千「…」
「あぅっ」
アンド隙を見てチョップされた。
「うぅぅぅ…」
千「はぁ」
本当に面倒くさそうな顔をされる。
でもそんな彼の表情、実は結構好きなのである。
呆れてる顔も困ってる顔も私には全部かっこよく見える。
これが好きフィルターってやつかぁ。
「…んふふっ」
千「うぜー」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時