𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦281 ページ32
***
「あははっ！ごめ…ごめんって！許して千空ー！！」
千「んな簡単に許してたまるかアホ女」
手の力が緩んだと思って油断してたらいきなりこちょこちょ攻撃をされ、逃げながら布団の上に倒れてしまった私。
それでも彼は止めずにずっとこちょがしてくる。
「ごめんなさいっ！もうしませんからぁ！」
千「ククク」
窒息死しそうなレベルでくすぐったい。
私こちょこちょ弱いの今知った。
「んねぇえぇぇ！！！」
千「あーうるせっ」
我慢の限界で彼の手を掴んで無理矢理引き離すと彼は私の声で耳がやられたように指を突っ込んでいた。
「はぁ…死ぬ…っ」
千「はい雑魚乙」
「あーもう…」
こちょがされすぎてほぼ瀕死の状態。
このまま寝れそうな程には疲れてしまった。
「ンー！！千空！」
千「んだよさっきからデケェ声出すな」
「もう疲れたからよしよしして寝かせて」
千「嫌だ」
「じゃあ自動よしよしマシン作って」
千「恐ろしいほど飢えてんなテメー」
「今はよしよしされたいのー」
布団の上でこれでもかと駄々を捏ねていると彼の冷たい視線がぶっ刺さる。でも毎度の事なのでもう気にしない。
「んー…よしよしされたい」
千「20歳手前が止めろ」
「20歳超えてもこのキャラで生きる」
千「すんげー迷惑だな」
「いーの」
というか暇ならよしよししてくれても良くないか！？
「よしよし募集中です」
千「あー寝るか」
「ねぇ！募集中！」
千「自分で撫でろ」
「つめたぁぁい…」
隣にゴロンと寝転んだ彼はいつも通り仰向けになって目を閉じている。
「やだ冷たくしないで」
千「してねぇだろ」
「してた。よしよししてくれない」
千「ハァ…ったくクソガキは寝やがれ」
「わっ」
彼は大きな掛け布団を私にもかけてくれた。
あーこういうの好きって思ってニコニコしてたら、
私の方に近付いてきた。
千「ほれ」
「わぁ！やったー！」
彼が面倒くさそうに腕を伸ばしてきた。
私はクルクル転がって彼の腕の中に収まり、
これでもかってくらいギュッと抱き着いた。
千「黙って寝ろよ」
「うん！」
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年8月20日 10時
