𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦273 ページ24
***
「千空来たよ〜」
千「おー」
ラボに顔を出すと中で彼がテーブルの上に粉と水を用意して待っていた。
「何してたの？」
千「実験の準備だ」
「そうなんだ。私何手伝えば良い？」
千「ここ座れ」
「え？テーブルの上？」
千「そーだ」
「分かった」
彼に言われるがままラボカーの中にあるテーブルの上に座った。彼より少し背が高くなってなんか変な感じ。
千「んでこれ飲め」
「えっ」
そして手渡された水と粉。
これ私に飲ませるようだったのね…。
「毒じゃないよね」
千「テメーに毒盛っても俺にはデメリットしかねぇだろ」
「ふふっ、そうだね」
彼を信じて水と粉を全て飲み込んだ。
無味だし嫌な感じとかしなくて良かった。
「飲んだ！」
千「んじゃ次これな」
「うわっ」
その後も目の前で変なスプレー大量に振りかけられた。
めちゃくちゃ悪い顔してるんですけど彼。
「何コレ」
千「危ねーもんじゃねぇよ」
「？」
全部試されたあと彼は私の手首を両手でガッチリ掴んで目の前で待機している。
私としても別に異常が無く、ただフワフワと気分が良くなっているくらいだった。
千「目瞑ってゆっくり呼吸しろ」
「…」
とにかくもう言われるがまま。
呼吸すればするほど気分が良い。頭がスッキリする。
それと同時に胸がザワついた。
『…』
「？」
あれ、ソレの気配が。
『…ッ！！お前、何飲んだです！！』
「えっ？」
千「(来たな)」
『苦しい…！！』
え、待って、なんでソレが苦しがってるの？
私なんかした！？
『お、前…』
「っ…」
千「A」
「なに？」
千「テメー今誰に話しかけられてんだ？」
「っ！！」
『この人間…アァ、石神千空…』
「え…あ…」
頭の中ではソレの苦しそうな声がして、同時に彼からも話しかけられてどっちに反応したら良いか分からず焦ってしまう。
千「おい聞いてんのか？」
「聞いてる！」
『これは、…酸素、お前…酸素飲んだ、です』
「！」
千「ククク…その様子じゃ相当効いてるみてぇだな」
「ま、待って千空何の…！」
『落ち着くです…お前が息吸うと、酸素量…増えるです…』
「えっ！」
千「やっぱ居んのかそこに。唆るぜこれは…」
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年8月20日 10時
