𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦269 ページ20
***
「ふぅ」
ようやく体調も良くなり始め掃除も完璧に終わった。
フランソワさんが使いやすいように厨房も整えたしこの体調の中、我ながら頑張った。
ク「あの松風ってヤツの話最後まで聞かなくて良かったのかー?」
千「んなもん聞いてたら日ぃ暮れちまうわ。そーゆーのはアイツらに任せて俺らは…」
「あっ」
ちょうど道具を片付けた時にタラップを上がって来た彼と目が合った。
ク「よぅA、頭痛ぇの治ったのか?」
「あ、うん」
うわぁクロムと話すの気まずい。
何やかんや昨日私のこと1番疑ってたのクロムだし…。
カ「オッホー良かったわい!」
カセキおじいちゃんが居てくれるから和めるけど。
千「起きたのか」
「うん、おかえりなさい」
彼と話すのも気まずい。
私彼女なのに…。
ク「ん?お前通信室入ってねーよな?」
「入ってないよ!」
ク「そっか!」
「うん」
この疑いも割と心にチクチク刺さるから、
早く信用して貰わないと。
「…」
そう考えるとなんだか昔に戻ったみたいだ。
一生懸命みんなの機嫌取りしてたあの頃に。
でも今回は命かかってるんだから…、
それに頑張るって決めたんだから頑張らなきゃ。
カ「Aちゃん」
「?」
カ「あんまり思い詰めちゃダメよ?」
「えっ…」
急にカセキおじいちゃんが私の手を優しく撫でてくれた。
カ「Aちゃんもわしの孫みたいなもんじゃから。可愛い可愛い天使ちゃんがそんな顔してたらわしも悲しくなっちゃう」
「…」
待って、また顔に出てたの私…。
『お前』
「っ!!」
カ「ほえ?」
ソレのトーンがいつもと違った。
私は怖くなってカセキおじいちゃんの手を握り返した。
「だ…大丈夫だよカセキおじいちゃん!ごめんねいつも心配かけてるみたいで!でもほら元気になったから、また明日からみんなと同じように頑張るよ!」
カ「そうなの?大丈夫なら良いんだけどね」
「うん!大丈夫大丈夫!」
心拍数が一気に跳ね上がる。
ソレに怒られる前に何とかしないと。
「それじゃ私フランソワさん帰ってくる前に夕飯の準備やらなきゃだからまたね!」
カ「Aちゃん…」
千「…」
ク「おーなんか元気だな!」
千「(…ちぃっとマズいなアレ)」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時