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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦267 ページ18

***







『お前のせいです』

「…」



ゲンさんが私の不意の仕草を見て気付いたのだとソレが言っていた。確かにパンを落としてしまうくらいソレの存在がバレてしまったのではないかと焦っていたのは事実だった。



『命令、人間たちとの意思疎通をするなです』

「…そんなこと出来るわけないでしょ」

『お前はボロが出るです。意思疎通を拒否しないのであれば、親しくなるなです』

「それもむっ…」

『以前のお前はそうだったです』

「っ!」

『NOの選択肢はないです』

「…」



そう言われるとそうだったけど、
みんなのおかげでここまで明るくなれたのに。



「今更無理」

『なら無能な人間は、まとめて石化させるです』

「…」

『お前の判断で決まるです』

「…はぁ」



いっそ私が死んでしまいたいレベルだ。
でもきっとコレが生きてる限り私は何度でも復活させられる。完全に呪いとしか言いようがないけど…。



「…」



お母さんとお父さんが見付けてくれた唯一の治療法。
それがコレと繋がる事なら責めるにも責められない。
だから余計にこの気持ちをどうしていいか分からない。

でも私がここで諦めたらみんなを失望させてしまう。
また同じ歴史を繰り返してしまう。



「…分かったよ」

『YES』



それなら出来ることをしよう。
同じくらい頑張ってる普通の人になるんだ。



「大丈夫…大丈夫」



私ならきっと出来る。
そう思いながら通信室から離れた。



『最終的にはその体譲るです』

「それはまた別の話でしょ」

『なら石化…』

「酸素と海水どっちで死にたい?」

『…』

「…」



ホント嫌な生物。







***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時

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