𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦251 ページ2
***
「…」
彼に背中から抱き締められうとうとし始める。
私の胸の傍で手を握ってくれてるおかげもある。
千「…」
「…?」
そのうち握ってくれていた片方の手がゆっくりと私の手を離れ、髪の毛に移動した。その後髪の毛を耳にかけてくれたり束ねて流してくれたりした。
千「…(クソ綺麗だな)」
「んん…」
ちょっとだけくすぐったくてビクッとすると彼の手が離れまた手に戻ってきた。
千「…」
「…」
優しいしこんな事までしてくれる彼に包まれ、
幸せを感じながら意識飛びそうになっていた時だった。
千「…」
「っ!!」
急にグッと彼側に引き寄せられ力強く抱き締められたと思ったら耳朶を噛まれ始めた。
千「…」
「っあ…」
寝そうだったのに弱い耳を何度も甘噛みされて体が勢い良く反応してしまう。
千「クク…起きてんじゃねぇかテメー」
「んッ…みみ、だめ…」
千「狸寝入り得意技か?」
「うっ」
違うの彼のタイミングが悪いの。
もうちょっとで寝れたのに。
千「…」
「んんっ…だめ、だめっ」
後ろで彼がどんな顔してるか分かんないけど、全然止めてくれない。耳敏感過ぎてこれ以上やられたら壊れちゃう。
「はぁっ」
千「…バカ女」
彼が口を耳の中に押し当てて小さな声で囁く。
それが一番耐えられなくて彼の手をギュッと握った。
千「クク…なぁ石化前の事覚えてっか」
「っ」
そのまま話し続けるのなんで!って思いながら、
一生懸命頷いた。
千「テメーがイバラにあれこれ好き放題された時、俺はイバラどうやってブチ殺そうかずっと考えてた」
「っ?」
千「死ぬほどムカついたのはあん時が初だ」
「!!」
それって私のためにいっぱい怒ってくれてたって事?
えぇ嬉し過ぎる…そういうところも大好き。
千「テメーはもう俺のもんだ。他の奴に隙見せんなよ」
「うんっ」
いつも意地悪な彼からそんな事言われると思わなかった。
嬉しくなった私は彼の方を振り返った。
千「!」
「えへっ」
千「んだよバカ女」
そこにはとっても優しい顔をした彼がいた。
かっこよすぎてまたキュンとしてしまう。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時