𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦40 ページ41
***
千「…」
「ふふっ」
結局今日は様々な方面からのご支援で、
私は千空と同じテントで寝かせてもらえることになった。
気絶させられたせいかまだ少しクラっとすることはあるけど、彼が居てくれるおかげでなんとか日常には支障なかった。
千「…いつまでニヤニヤしてやがる。言っとくが明日から自分の部屋で寝ろよ」
「一緒じゃだめなの?」
千「無理」
「ケチ!」
千「はぁ…ったく」
「!」
千「(毎回調子狂わせやがって…コッチが色々と大変なんだっつーの!)」
隣で横になってる彼の腕が伸びて来た。
彼の言葉を借りるなら、おありがたい事に腕枕してもらっている。
千「特別だかんな」
「やったー!」
千「…」
だからさっさと寝ろよと言わんばかりの目で睨まれ、彼はゆっくりと目を閉じた。でも私は嬉しくて眠れそうになく、腕枕して貰っている彼の手を掴んで遊んでいた。
傍から見たら、眠たい父親の気持ちをガン無視して全く寝ないで遊ぶ子供のお昼寝時間の絵面。
でも彼は疲れて余程眠たかったのか、
私が遊んでいても目を開けることは無かった。
「…」
千「…」
もう寝ちゃったのかな。
そう思い髪の毛をそっと撫でてあげた。
相変わらずツンツンしてるけどこの髪好きだなーって考えながら何度も撫でていると急にガッと手を掴まれた。
「わっ」
千「…寝ろっつったろ」
「えへへ、ごめん」
千「…」
私の手を掴んだまま彼はまた寝始めてしまった。
その手から伝わる温もりが心地好くて私も次第に眠くなっていった。
「…」
それにしても彼、キス上手なんだな。
正直、日本人上手なイメージなかった。
アメリカとかではしょっちゅう見かけてたけど…。
千「…」
「…」
思わず夢中になってしまうくらいだ。
さすが私の好きな人。
これからもずっと大好きだよ。
「…」
そしてついに彼を眺めながら私はまた暗闇へと誘われた。
「…」
千「…やっと寝たかバカA」
「…」
千「…おやすみ」
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年5月28日 23時