𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦37 ページ38
***
いつだってそうだ。
「ねぇねぇ千空!」
千「あ?んだよ朝からうるせーな」
「コレ見た!?」
千「どれだよ」
「リリアンさん!宇宙行くんだって!」
千「あー知ってる知ってる」
「凄いよねぇ…私も行ってみたいな宇宙!」
千「テメーは何しに行くんだよ」
「ふふっ。私宇宙で結婚したい!」
千「…また超絶理解出来ねぇ事言ってんな」
「ロマンチックじゃない?好きな人に宇宙でプロポーズしてもらうの!」
千「まずテメーが行ける確率無さすぎて話になんねーんだよ」
「リリアンさんも行けたんだもん私だって行ける」
千「はぁ…大体万が一、確実にねぇけどテメーが行けたとしてお相手様が行けなきゃ意味ねぇだろ」
「それは…大丈夫!」
千「あ?」
「きっとその人も宇宙が好きだから、一緒に行ってくれるよ」
千「…マッジで意味わかんねぇお前」
「ふふっ」
だって好きでしょ宇宙。
ねぇ、千空。
千「寝言は寝て言え」
「じゃあ一緒に寝て一緒に寝言言わない?」
千「あ"ー!もう部活行っていーかー」
「あーもう!私より部活なの?」
千「そりゃそう。テメーの話には生産性0だしな」
「むー」
千「もっとまともな話考えてこい」
「じゃあまた聞いてくれる?」
千「…ふっ、今日よりまともだったらな」
「!」
千「じゃあな。帰り気ぃ付けろよ」
「…待って千空!」
千「んだよまだなんかあんのか。部活行きてぇん…」
「…」
千「何やってんだテメー」
「千空の幸運パワーハグしながら盗んでる」
千「はっ。テメーのも盗めんだぞこっちは」
「だめ。今は私が盗んでるの」
千「…」
「…」
そういえば。
恋人でも何でもなかったのに、
こんなバカみたいなこと言う私を、
ちゃんと受け止めてくれてたよね。
千「もーいーかー」
「うん!盗めた!」
千「へいへい」
「ありがと千空!」
千「はぁ…」
「千空!」
千「あーハイハイまたな」
「うん!また明日!」
いつも私のわがままに付き合ってくれて、
鬱陶しいって思ってたと思うけど、
それでもいつも最後まで一緒にいてくれてた。
こんな見た目だし、日本語も上手く話せなかった私を、
あなただけは1人にしないでくれた。
そんなあなたに告白出来ないまま死ねない。
あなたの事も死なせない。
どうか、どうかお願いします。
私の幸運全部あげるから…千空を助けて。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年5月28日 23時