𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦3 ページ4
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「…」
突然暗闇の中から一筋の光が見えたと思った途端、私はとてつもない勢いに包まれ無理矢理意識を取り戻した。
「んっ…」
立っていられなくなった体は勢いよく地面に倒れようとしていたがそれを誰かに抱き止められた。
「…ケホッ…」
『目覚めたね』
「…」
聞いた事のない声、彼ではなさそう。
というか私どれだけ眠ってたんだろう。
体は全く痛くないけど。
「…」
顔を上げると声の主と目が合う。
この人どこかで見た事ある。
「…獅子王…司…くん」
司「あぁそうだよ」
「…えっ!?なんでそんな有名人が、え?どういう…」
私を抱き止めていたのは彼ではなくあの獅子王司くんだった。テレビで見た事ある、"霊長類最強の高校生"…。
なんでそんな人が私を?それにここって…。
「!?」
自分の着ているモノや周りの景色を見て察した。
私もそこまで馬鹿じゃない。でも、それでも。
「ここは…どこ?」
そう聞かざるを得ないくらいには軽くパニックだった。
司「驚くのも無理ないよ。ここは俺達が居た時代から3700年後の世界だからね」
「3000…700…?」
司「あぁ。君の力を借りたくて勝手だが復活させて貰ったよ」
「…」
全然理解が追いつかない。
さっきまで彼と一緒に学校に居たはずなのに。
そうだ、彼は…彼はどこなの?
「あ、あの…」
司「ん?」
「復活させてくれて、ありがとうございます…ちょっと聞きたいんですが、私の隣にもう1人男の子居ませんでしたか?こうなる前に一緒だったんです」
司「…すまない、君を見つけた時は1人だけだったよ」
「…そう、ですか…」
ここが何処かも分からないし、もしかしたら私が意識を失ってる間に彼と離れ離れになってしまったんだ。
最悪過ぎる目覚め。
司「もしかしたら復活させた中に居るかもしれない。探してみると良いよ」
「はい…ありがとうございます」
司「それと君にお願いしたいことがあってね」
そういえばそのために私を起こしてくれたんだよね。
とりあえず彼の事はこれから探すとしてまずは獅子王くんの話を聞かなきゃ。
司「君は多国語が話せるそうだね」
「はい、一応帰国子女なので…」
司「うん。それじゃ今後復活者に外国人が居た場合は君にお願いしたい」
「はい」
司「期待しているよ。他に特技はあるかい?」
「動物に少し詳しいです」
司「良いね」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年5月28日 23時