𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦12 ページ13
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「いっ…た…」
司「すまない」
連れてこられたのは明らかに司くん専用の洞窟だった。
医師の椅子に座らせられて腕を診てもらってる。
司「医療が発展してない世界での怪我は危険だ」
「…ありがとう」
司「何故こんな時間に出歩いたんだ?」
「ごめん、南さんが水浴び行こって誘ってくれたからつい…」
司「南か…はぁ。行くなら昼にした方がいい」
「だってあそこら辺昼間男の人居るし…行きにくい」
司「なら昼間は別の所に行かせるよ」
「うん、そうしてくれると助かる」
司「あぁ」
本当は彼を殺そうとした人だからあんまり関わりたくない。でも助けてくれたことに変わりは無いからそこは感謝しないと。
司「これでいいかな」
「ありがとう」
司「うん、ところで服は?」
「置いて来ちゃった」
司「困ったねその格好も目のやり場に困るね」
「!…」
そういえばタオル一枚だったの忘れてた最悪。
杠ちゃんにあとで着替え作ってもらわなきゃ。
「ごめん」
司「謝る事じゃないよ。こんな事俺が言うのも変だけど君は本当に魅力的だから気を付けた方が良い」
「え?何に?」
司「分からないのか?」
「虎の話?」
司「…そうか」
「な、なんかごめん」
司「別に謝ることじゃないさ。ただ…」
「きゃっ!」
いきなり壁に腕を押し付けられて身動きが取れなくなった。強すぎる力、全然ビクともしない。
司「…」
「ちょっ…司くん!」
司「君、こういう経験はなさそうだね」
「何が!?」
司「さっきの虎みたいに男は変身する生き物なんだよ。油断してると全身噛み付かれてしまうよ」
「っ…!」
司くんは噛み付く真似をするように私の首元をに歯を当ててきた。温かい息も首に当たって体が反応してしまう。
司「ふふっ」
「は、離して…ごめんなさい!もうしませんから!」
司「あぁ、その方がいいよ」
「っ!」
もうしないって言ったのに胸元に噛み付いてくる。
そこまで痛くないけど辞めて欲しかった。
「いや!」
司「!」
「っ…」
私は油断司くんの手を振り払って洞窟を出て行った。
司「…あぁ…良いな。追いかけたくなる人だな君は」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年5月28日 23時