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***
佐野くんはその日ずっと傍に居てくれた。
私も次の日には歩けるようになっていたので、
薬を大量に渡されて退院することになった。
マ「ふぁっ」
「眠いよね」
マ「ん、大丈夫」
「膝貸そうか？」
マ「大丈夫」
お父さんが迎えに来てくれるまで、
佐野くんがロビーで一緒に待っててくれた。
マ「…」
「ふふっ、めっちゃウトウトしてるね」
マ「大丈夫だって」
「眠れなかった？」
マ「ん」
「ごめんね」
一生懸命心配してくれる佐野くん可愛い。
マ「…てか、ごめん」
「ん？」
マ「まだ…1ヶ月経ってねぇのに…」
「あっ」
お触り禁止令の事気にしてたのか。
マ「これ、ノーカンにして」
「…」
そう言って私を握ってくれる。
佐野くんの優しさがたくさん伝わる。
「…佐野くん」
マ「ん？」
「…」
マ「！！」
やっぱりこの人しかいないんだ。
この安心感を与えてくれるのは佐野くんしか居ない。
今回よく分かった。
だから私は禁止令を無視して佐野くんにキスをした。
マ「っ…」
「…助けてくれてありがとう」
マ「…やっべぇ…っ…」
「ふふっ」
顔を赤くした佐野くんはそのまま俯いた。
マ「(バッカ不意打ち過ぎんだろ！！目ェ覚めたわ！！)」
「？」
マ「はぁ…これ以上惚れさせんな」
「あははっ」
マ「人の気も知らねぇで！」
「私だって佐野くん好きだもん」
マ「っ…」
「嫌ならもうしないけど」
マ「やだ！」
「ふふっ」
マ「！！」
拗ねそうな顔をしたので、
オマケでもう1回してあげた。
マ「(可愛すぎる無理だァァ！！！)」
「可愛い佐野くん」
マ「お前がな！！」
「あはっ」
なんだか幸せな待ち時間だった。
父「(俺…もう着いてるんだけど…気まずい)」
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年3月19日 16時
