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憐「ウッ…ゲホッ…」
「…」
『お、おい!殴りすぎだぁ!』
『ボスが死んじまう!!』
「…まだ生きてたか」
『『ヒィッ!』』
全員の意識が無くなるまで私は殴り続けた。
誰1人逃がさないために。
憐「…」
「二度とお姉ちゃんに近付くな」
憐「…わ、…る…」
「お前が近付いた分、私はお前の寿命を減らす」
憐「や…めろ…」
「私達に関わるな」
憐「ゲホッ」
「…」
『居たぞ!!ボスがやられてる!!』
『ボス!!』
憐「っ…まだ、いんだよ…」
「あっそう」
私はタコ殴りにしていた憐を放置して、
工場に入ってきた人間をまた倒していった。
鉄パイプで頬殴られたり腕とか脚叩かれたりもしたけど、今は痛みすら感じないくらい爽快だ。
『バケモンかよ…!!』
『皆逃げろ!!』
「ちっ」
さすがに人数が多くて何人か逃がしたけど、
まぁ良いや。目的さえ果たせば。
「さて…」
憐「おい!」
「!」
いつの間にか起き上がっていた憐が手に何か持っていた。
「それは…!」
憐「はぁ…勝てねぇなら…一緒に死のうぜ…A!」
「っ!!」
手に持っていたのは明らかに爆弾だった。
完全に油断してた。
私はピンを引き抜いた憐を見て慌てて走った。
憐「あっはっはっは!!」
「っ…!」
ギリギリの所で工場から出た瞬間。
「きゃあっ!!」
後ろから大きな音と熱風がして私は外に吹き飛ばされた。
「うッ!!」
衝撃で少し頭を打ったのと、
地面に体が擦れて血塗れになった。
「ハァッ…ハァ…!」
『ギャァア!!!!』
『熱い!!熱いぃあ!!!』
『助けてくれぇぇぇ!!!!』
「っ!」
中に取り残された人も巻き添えを食らい、
憐と共に燃えているのが分かった。
廃工場は激しい火を上げ、
黒煙を空へと漂わせた。
憐「愛してるぞAッ!!!!!」
「…」
憐「お前は、永遠に…俺のものだァァ!!」
「…」
憐「アッハッハッハッハッ!!!!」
焼ける匂いと憐の喚き声が響く。
私の脳裏にその光景は深く刻まれることとなった。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月19日 16時