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お風呂から上がると、
ちゃんと着替えを用意してくれていた。
下着とか無いからそのままなの嫌だけど仕方ない。
バッグに入れていたサラシで胸だけ固定させた。
イ「ん、おかえり」
「…」
リビングに戻ると窓際で何かしていたイザナさん。
「っ!それ私の携帯!」
イ「代わりに連絡しといてやったぜ」
「!」
携帯の画面を見せられ、
私のお母さんに今日は泊まって帰るとメールしていた。
「何勝手なことしてるんですか!」
イ「探されても困るから」
「っ…」
イ「てかお前結構マイキーと連絡してんだな」
「!!」
イ「お前の返信少ねぇけど…マイキーのメール見てる限りお前らもしかして付き合ってんの?」
「…」
イ「あれ図星か?」
「…」
この人は色々と思い出したくないことまで平気で聞いてくる。憐お兄ちゃんとの事件の事も全部…。
嫌なのに、嫌なのに…。
イ「えっ」
「…」
腹立たしさと嫌な思いが込み上げて来て、
気づいたら泣いていた。
仕返しができないストレスも相まって。
イ「…なんで泣く?」
「…」
イ「普通に聞いただけじゃん俺」
「…」
イ「何がそんなに悲しいんだよ」
「…」
イ「分かんねぇ奴…」
近付いてきたイザナさんが私を抱き締めようとしたのが分かった。でも何もかも嫌で私は突き飛ばした。
イ「…」
「さわ…んないで」
イ「…ふーん」
「…」
頭に血が上って冷静になれない。
私は頭を抱えて壁際に座り込んだ。
イ「はぁ」
「…」
イ「(もっと簡単にいくと思ってた…)」
「…」
イ「!」
そのうちにインターホンが鳴って、
イザナさんは玄関に行ってしまった。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月19日 16時