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***







結局40分くらいバイクで走って、
東京を出てしまった。


もうかなり遅いのにどうしたらいいの。




イ「来いよ」


「帰りたいです…」


イ「俺しか送ってやれねぇのに無理じゃん」


「っ…無理やり連れてきたくせに」


イ「お前が鈍いんだよ」


「…」




知らない場所で彷徨く訳にもいかず、
渋々マンションに入った。




イ「こっち」


「!」




マンションの一室に連れてこられ、
中に入ると広々とした部屋が続いていた。




イ「…」




イザナさんは先に入ると水槽の前に立って、
熱帯魚をじっと見ていた。




イ「ただいまお前ら」


「…ペットですか」


イ「そ」


「意外…」


イ「コイツら眺めてる時間が1番落ち着くんだよ」


「…」


イ「てか荷物そこ置け」


「はぁ…」




言われた通り荷物を降ろす。




イ「ん、こっち来い」


「なんですか」


イ「良いから」


「…」




するとソファーに呼ばれ、
隣に座れと指示してくる。




イ「ふふっ」


「ちゃんと送ってってくださいね…」


イ「明日の朝な」


「は!?泊まりませんから私!!」


イ「だめ」


「いやいやいや!なんでイザナさんの家に泊まんなきゃいけないんですか!」


イ「俺がそうしろって言ってんだからそうすんだよ」


「っ…」




本当にまずい。
私は覚悟を決めて佐野くんに連絡しようとした。




イ「はいダメ」


「あっ!」




携帯を取り上げられて、
ポケットの中にしまわれた。




「返して!」


イ「ダメに決まってんだろ」


「なんで…」


イ「ふふっ、俺の言うこと聞いたら返してやるよ」


「…」


イ「俺の命令は絶対だからな」


「最低…」


イ「なんとでも言えよっ」




そう言うと私の膝に頭を乗せて来て、
撫でろと指示してきた。


従いたくないけど返して貰えないのが嫌だったから、
我慢してすることにした。




「…」


イ「…(良いな社…欲しい)」


















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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月19日 16時

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