note 732 ページ33
***
結局40分くらいバイクで走って、
東京を出てしまった。
もうかなり遅いのにどうしたらいいの。
イ「来いよ」
「帰りたいです…」
イ「俺しか送ってやれねぇのに無理じゃん」
「っ…無理やり連れてきたくせに」
イ「お前が鈍いんだよ」
「…」
知らない場所で彷徨く訳にもいかず、
渋々マンションに入った。
イ「こっち」
「!」
マンションの一室に連れてこられ、
中に入ると広々とした部屋が続いていた。
イ「…」
イザナさんは先に入ると水槽の前に立って、
熱帯魚をじっと見ていた。
イ「ただいまお前ら」
「…ペットですか」
イ「そ」
「意外…」
イ「コイツら眺めてる時間が1番落ち着くんだよ」
「…」
イ「てか荷物そこ置け」
「はぁ…」
言われた通り荷物を降ろす。
イ「ん、こっち来い」
「なんですか」
イ「良いから」
「…」
するとソファーに呼ばれ、
隣に座れと指示してくる。
イ「ふふっ」
「ちゃんと送ってってくださいね…」
イ「明日の朝な」
「は!?泊まりませんから私!!」
イ「だめ」
「いやいやいや!なんでイザナさんの家に泊まんなきゃいけないんですか!」
イ「俺がそうしろって言ってんだからそうすんだよ」
「っ…」
本当にまずい。
私は覚悟を決めて佐野くんに連絡しようとした。
イ「はいダメ」
「あっ!」
携帯を取り上げられて、
ポケットの中にしまわれた。
「返して!」
イ「ダメに決まってんだろ」
「なんで…」
イ「ふふっ、俺の言うこと聞いたら返してやるよ」
「…」
イ「俺の命令は絶対だからな」
「最低…」
イ「なんとでも言えよっ」
そう言うと私の膝に頭を乗せて来て、
撫でろと指示してきた。
従いたくないけど返して貰えないのが嫌だったから、
我慢してすることにした。
「…」
イ「…(良いな社…欲しい)」
***
38人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月19日 16時