life652* ページ3
***
「上着どこ行ったんだろ…こっちだったはずなのに…」
上着を追いかけて湖の砂浜へとやって来たが、
どこにも上着がない。
「お気に入りだったのに…」
リムル様と初めて一緒に寝た日に着てたお気に入りの上着だったのに、今日はツイてないな。
「はぁ…戻ろ」
私は諦めてテントに引き返そうとした。
その時。
『探し物はこれだろ』
「…!」
後ろからいきなり何かが覆いかぶさってきた。
手に取ってみると私の上着だった。
『ほんとおっちょこちょいだよなぁお前』
「…」
さっきの声の主なのはすぐに分かった。
思い切って振り返った瞬間。
『会いたかった』
「っ!」
目の前が真っ暗になった。
私の体を暖かいものが包み込んでいる。
振り向いた瞬間抱きしめられたようだ。
『A』
「えっ」
声の主が私の名前を呼ぶ。
私は顔を上げその主を見た。
『…』
「っ…え…」
『どうかしたか?』
「なに、してるんですか…」
『お前を探しに来たんだよ』
「探しに、でもさっきまで…!」
『ふふっ…戸惑うのも無理ないよな』
「…」
頭が混乱している。
黒いローブを着た声の主はリムル様だった。
でも私の知っているいつものリムル様じゃない。
どこか違って…
リ『3年も経つと旦那の事も忘れるのかっ?』
「ッ!!」
リ『俺だよA』
何を、言ってるの?
「リムル様…」
リ『うん』
「ほんとに、リムル様なの…?」
リ『そうだよ』
「…」
私、寝ぼけちゃってるのかな。
だってこんなこと…。
リ『分かるか?俺が』
「…分かる、けど…」
あれ、私なんで泣いてるんだろう。
リ『A』
「り、むる…」
リ『ふふっ。泣き虫変わってなくて安心したよ』
「あっ…あぁ…!!」
リ『しーっ…皆起きるだろ。少し移動しよう?』
「…」
何が起こっているのか分からない。
けど、これだけは分かる。
この人。
私の知ってるリムル様だ。
私はただ静かに頷いた。
それを見たリムル様がにっこり笑っていた。
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あゆむ - 一気読みさせていただきました!夢主ちゃんをハッピーエンドにさせてください!!むちゃ切なくて泣けました!自分夢なちゃん大好きです!リムル様と夢主ちゃんをどうかハッピーエンドで終わらしてあげてください!!後Sちゃん様の小説家大好きです!応援してます!! (2022年10月2日 17時) (レス) @page50 id: 0346bca352 (このIDを非表示/違反報告)
柊@AK(プロフ) - めっちゃよくて一気読みさせていただきました!リムル様を思う夢主ちゃんを気持ちがとても切なくてめっちゃ号泣しました。これからも応援してます! (2022年9月27日 6時) (レス) @page50 id: 8dea621558 (このIDを非表示/違反報告)
もふゆ - 更新が楽しみだったので嬉しいです!リムル様とリムル様の会話が面白くて、ついつい笑みを溢してしまいました。終盤に差し掛かってますが、無理をせず、頑張ってください。応援してます! (2022年9月4日 23時) (レス) @page18 id: d4957ad8a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 更新楽しみにしてたので嬉しいです! 続きも待ってます(´。✪ω✪。 ` ) (2022年8月30日 0時) (レス) @page17 id: 41374f889f (このIDを非表示/違反報告)
むちょ - 更新楽しみに待ってました!これからどうなるのかとても気になります。更新無理せず頑張ってください。 (2022年8月29日 23時) (レス) @page17 id: e785111cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2022年8月29日 12時