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マ「着いた」
「え?ここ神社…」
マ「うん」
佐野くんが連れて来てくれたのは
東卍の集会場所でもあった神社だった。
マ「ちょっと寄ってこうぜ」
「うん!」
佐野くんは懐かしそうな顔をしていた。
佐野くんにとってここは聖地みたいなものだもんね。
マ「どっちが速く階段登れるか勝負な!」
「え!?何段あると思ってるの!」
マ「負けた方は1つ言うこと聞くんだからなー!」
「ちょ、しかもフライングしてる待ってよー!!」
佐野くんは降りた途端走り出して
物凄いスピードで階段を駆け上がって行った。
正直後ろ姿もかっこいい。
春「今度はここかよ…」
九「神社?なんで?」
春「昔ここで集会やってたんだよ」
九「!…なるほどな」
私も必死に佐野くんを追いかけたが
チーターみたいに速い佐野くんの圧勝である。
「はぁ…はぁ…」
マ「おせー」
「ぐ…手加減してよ…」
マ「してたじゃん」
「それでこの速さは化け物」
マ「そりゃどーも」
勝ち誇った顔でニコニコしながら
佐野くんは真ん中の階段に座って寝そべった。
私はその隣に座り、2人で青空を眺めた。
マ「…やっぱここは落ち着くな」
「そうだね」
マ「色々あったけど東卍に居た頃が1番楽しかった」
「皆もそう思ってると思うよ」
マ「ハハッ。そうだといいな…」
「私が保証するよ」
マ「あんがと」
佐野くんは今どんな気持ちで何を考えているか
私には分からないけど…
マ「…」
佐野くんは、守りたかったものがあるんだよね。
失ったものも手放したものも全部含めて。
凄いな…全部1人で抱えてたんだもん。
私にはそんなこと出来ないや。
「佐野くん」
マ「ん?」
「私の話聞いてくれる?」
マ「なにっ?」
そんな佐野くんに憧れてた部分もある。
私も佐野くんみたいに強くなりたいって。
でも佐野くんはきっとそんなこと望んでない。
いつでも私の幸せな未来を考えてくれてる。
「私ね…」
マ「うん」
「高校卒業したら一人暮らしするの」
マ「え?」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2021年9月23日 23時