note 286 ページ37
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「…?」
体がだる重くて力が入らない。
目をゆっくり開けて辺りを見渡す。
マ「…」
「…佐野くん」
隣には可愛い顔して寝ている佐野くんが居た。
それを見ただけで気持ちが安らいだ。
そして佐野くんの頭を撫でようと手を伸ばしたら、
何か知らないけど両手に拘束ベルトが巻いてあった。
「ん!?」
あれ、なんか足にも付いてるんだけど…
え、どういう事?なんで?
てか身体中噛み跡凄いんだけど…。
「さ、佐野くん!」
マ「ん…」
「起きて佐野くんっ」
マ「んん…うるさい」
「ねぇこれ何なの!」
マ「…」
佐野くんは私の声で目を覚まし、
機嫌悪そうな顔をしながら私を抱き寄せて来た。
「佐野くん…?」
マ「お前は俺のだ…」
「そ、それはそうだけどっ…」
マ「…」
佐野くんは目を擦ったあと、
私を真剣な目で見つめてきた。
マ「…A」
「うん」
マ「なんで灰谷兄弟と関わってんだ…?」
「えっ」
マ「いつから?なんで俺に黙ってた?」
「うっ」
マ「答えろ。お前はほんとに俺のこと愛してんの?」
「さ、佐野くん…ごめんっ」
マ「イザナも黙って灰谷兄弟も黙って隠して、次は何だ?なぁ言ってみろよお前俺じゃ満足できねぇの?」
「ち、違うの!灰谷兄弟は、その…最初、ストラップ盗まれてて…それで…」
マ「じゃあなんでお前の写真が出回ってんの?」
「う……私、灰谷兄弟の、着せ替え人形にされてたから…でも何も酷いことされなかったから…」
マ「すげぇ不快」
「ごめんなさい」
マ「お前の写真で何人抜いてんだろうなぁ…想像しただけで殺したくなる」
「ほんとにごめんなさい!もう関わらないからっ」
マ「当然だろ。お前は俺のなんだから」
「うん…」
マ「んで?まだ隠してることあんなら言えよ」
「っ…その、これは、謝ろうと思って話すつもりでいたんだけど…」
マ「…」
「あの、ドラケンくんに…キスされた」
マ「…あっそう」
「痛いっ!!」
マ「どうせお前が誘ったんだろ?なぁ…」
「痛いっ!腕折れちゃう!」
佐野くんに思いっきり腕を掴まれ圧迫される。
痛すぎて涙が出た。
マ「お前の優しさってさぁ…好きだけど他人に向けられてんの見ると胸糞悪い」
「う…」
マ「いーの俺が他の女として来ても?」
「やだっ!!」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2021年9月20日 12時