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***
「はぁ…」
今日はまともに集中出来なかったな。
テストもある事だし、ちゃんと勉強しないと…。
「あ…今日は行ってあげないと…」
放課後。
私は千冬くんとの約束を守るために
社会科準備室へやって来た。
「お邪魔します」
千「あっ、お疲れ様です」
「千冬くんもお疲れ様」
千「今日は構ってくれるんすねっ」
「うん、いつもごめんね」
千「いーっすよ」
千冬くんが隣に椅子を準備してくれて
私はそこに座った。
千「これマジ面白いんで読んでください」
「うん、ありがとう」
千冬くんが貸してくれるものはアタリ漫画ばっかりだから私も楽しく読むことが出来る。
千「ふふっ」
「ん？」
千「いや…やっぱ社さんと居ると落ち着くと思って」
「そうなの？」
千「はい。だから構ってくださいね」
「…うんっ」
千「(あ、もう可愛い無理だ…)」
東卍の仲間はよくそんな事を言ってくれる。
私が佐野くんショックを乗り越えられるように
支えてくれてるのがよく分かる。
私も皆と居ると不思議と心が落ち着く。
佐野くんの考えはいまだに分かんないけど、
居なくなってから皆の生活は確かに変わった。
暴力とかじゃなくて、
ちゃんと真っ当な道に進んでいる。
もしかしたら佐野くんが皆を守ってくれたのかな。
そうだとしたら、
佐野くんは今も1人で…
千「社さん」
「！」
千「また泣きそうになってますよ」
「あ、ご、ごめん…だめだね私…」
千「そんなことないですけど、俺心配になるんで」
「…ありがとう」
千「無理しないでくださいね」
「うん」
千「…」
そう言うと千冬くんはフッと笑って
私の頭を撫でてくれた。
「え？」
千「嫌でした？」
「私先輩なのに」
千「あはっ！んじゃ俺にもしてくださいよ」
「うん」
千冬くんが少し屈んでくれたので
私も同じように千冬くんの頭を撫でてあげた。
佐野くんもこうすると喜んでくれてたな。
千「…」
「気持ちいい？」
千「はい…」
「良かった」
千冬くんの髪はサラサラで撫でやすい。
前もそうだったけど良い匂いもする。
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2021年9月20日 12時
