episode71 ページ22
***
ほぼ全ての競技が終わり、
残すはクラス対抗リレーのみとなった。
グラウンド整備などが入り、
少し間が空いたので私は集中していた。
そしてバックからあの靴を取りだした。
そう、お母さんとお父さんに買って貰った靴だ。
ようやく履くことが出来て嬉しい。
友「井上」
「ん？」
友「負けんなよ」
「…うん！お互い頑張ろ！」
『準備が整いました。選手の皆さんはグラウンドに集合してください。ギャラリーの方々は前の方でご覧ください』
最後の種目ということもあり、
非参加の生徒達と観客ががグラウンドを囲むようにぎっしりと座ったり立ったりしていた。
赤「井上さん」
「赤葦くん！」
赤「絶対勝ちましょう」
「うん！」
木「ちょっとぉ！」
赤「なんですか。木兎さんはあっちでしょ」
木「俺全然井上ちゃんと話してない！！」
「おはよう木兎くん」
木「もうそこからだよね！？」
赤「敵チームに絡まないでくださいよ」
木「井上ちゃん赤葦が意地悪する！」
「赤葦くん優しくしてあげて」
赤「分かりました」
木「井上ちゃん優しい好き！」
「ありがとう！でも今は敵だから仲良く出来ない！」
木「ガーン…」
赤「ふっ」
木「む…じゃあ井上ちゃん！俺が勝ったらデートしてね！」
「え？」
木「約束だかんな！」
生「木兎行くぞー」
木「じゃあね！」
「あはは…」
赤「困った人ですね」
「でも、勝つのは私だから」
赤「！…靴、変えたんですね」
「うん。この靴は親に買って貰った大事な靴だったから今まで履けなかったけど、今日は気合を入れるために履いた」
赤「お母さんとお父さん喜びますね」
「うん！」
赤「ふふっ…じゃあ俺行ってきますね」
「頑張って赤葦くん！」
赤「はいっ」
木「赤葦ばっかりほんとむかつく」
生「いーじゃん。勝ってデートしてこいよっ」
木「おう！絶対に勝ーーつ！」
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2021年6月5日 22時
