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***
そして部活後。
誰も居なくなった部室に
私と黒田くんが呼び出された。
「…」
「…」
「まずは黒田。おめー来年はレギュラーなんだろ?もっと自覚持って部活しやがれ」
「はい、すみませんでした」
「やりゃできんだから七波に構う必要ねェ。自分の事だけ考えろ。振り落とされたくなかったらな」
「はい」
「ン。分かってんだったら良い。あと、真波にも負けんなよ…」
「!はい!ありがとうございます!」
「おし!待たせて悪かったな。帰っていいぞ」
「ありがとうございます!お疲れ様でした!!」
黒田くんはお説教後すぐに部室を出て行ってしまった。
「問題はおめーだ七波ィ」
「へ?」
「お前部活舐めてんのか」
「えっ…」
「ロードレースの事なんも知らねェだろうからそーやってワチャワチャ騒いでんのかもしんねーけどよ。俺たちゃ王者なわけヨ?分かるか?」
「…」
「どんな思いで練習してんのかもうちょい考えろバカ。お前のせいで泉田がどんだけ迷惑してっと思ってんだァ」
「ッ…ごめんなさい」
「アイツもロードレーサーなんだヨ。一緒に3日間つれェことも泣きてェことも乗り越えていく仲間だ。アイツがこのレースにかける思いお前には分かんねぇだろうけどな、すげー努力してんだアイツは」
「はい…」
「お前みてェな外野に邪魔されていい程の存在じゃねェんだよ!!」
「!」
荒北先輩が自分の近くにあった椅子を蹴り飛ばした。
「マネージャーなら選手のこと考えろ。私情持ち込んでんじゃねェヨ」
「…はい」
「あと、部活中は俺に近寄んな。マジでうるせーから」
「ぇ…」
「そんなに構って欲しいなら新開のとこ行けヨ」
「違っ、私は…!」
「鬱陶しいって言ってんだヨ」
「…荒北、先輩」
「はァ。入部当初のお前の方がマシだったわ。じゃーな。ちゃんと反省しとけヨ」
「ッ…はい」
「あー電気消して帰んの忘れんなヨ」
「はい」
荒北先輩はそう言うと荷物を持って
部室を出て行ってしまった。
「…」
当然のことながらショックを受ける。
これがやってきたことの報い。
初恋が散った瞬間だろうか。
「先輩…私、先輩に言われたから…」
涙をポロポロと零しながらギュッと服を掴む。
嫌われちゃったかな…。
***
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さくみ(プロフ) - これ本当に好きです、、!!続き気になりすぎて死んじゃいそう、です (2019年8月28日 3時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2019年7月10日 21時