#22 ページ23
***
荒北先輩に連れられて最初に来たところは
トレーニングルームと書かれた部屋だった。
「アブ…アブ…アブ！！」
先輩の後ろから部屋を覗くと
筋肉ムキムキの男の子が筋トレをしていた。
「おーい泉田」
「アブ…ふぅ。どうしたんですか荒北さん」
「ほれ七波行け」
「え！？そんな急に…」
「女子！？」
荒北先輩が無理矢理背中を押してきた。
「…荒北さん、いくらなんでも誘拐は…」
「誘拐じゃねェヨ！！！おめーどこが誘拐に見えんだ！！」
「いや、荒北さんならやりかねないと思いまして…」
「てめェ覚えとけヨ…」
「ハハッ。それはそうと…」
男の子は重そうなダンベルを置いて
私の前に立った。
「初めまして、僕は泉田塔一郎と言います。ここ自転車競技部2年のレギュラーです。よろしくお願いします」
「…2年の七波Aです。一応マネージャー希望で見学しに来ました」
「同学年だったのか！あまりにも大人っぽかったから先輩かと思ったよ」
「ありがとう。えっと、泉田くんでいいよね。よろしく」
「こちらこそ」
「挨拶終わったかー？」
「荒北さんが2年の女子と関わりがあるなんて知りませんでしたよ」
「あ？ンなことどーだって良いだろ。あと、ここの説明よろしく泉田」
「え？僕がですか？」
「おう。俺めんどくせェから休んでる」
「荒北先輩…」
「大丈夫だっつーの。泉田は筋肉バカだけど真面目でいー奴だからヨ」
「…」
「…荒北さん。七波が捨てられた子猫みたいな顔してますよ」
「…」
「…」
「先輩…」
「アー！！！わァったよやればいーんだろクソ」
「お願いします」
「(荒北さんを見事に落とすとは…やるな七波)」
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくみ(プロフ) - これ本当に好きです、、！！続き気になりすぎて死んじゃいそう、です (2019年8月28日 3時) (
レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sちゃん | 作成日時：2019年7月10日 21時
