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「…よし」
自室でいつもと同じ様なヘアセットをする。
甘くもありどこか大人びている髪を演出。
1年の頃より伸びた髪は色気を纏っていた。
「行ってきます」
私の通う箱根学園までは自転車で20分。
毎朝平坦な道と坂道を繰り返し登る。
途中にあるコンビニに寄り大好きなお菓子を購入。
ここまでは順調だ。
「…」
2年生の春。
私は自分の望みを叶えるために毎日頑張っている。
「いた…!」
校門を抜け駐輪場に自転車を置く。
そして生徒が溢れる学園内で素早くターゲットをロックオン。
「荒北…先輩…っ!」
名前を呼ぶだけでも興奮が止まらない末期状態。
私の見つめる先には私の愛して止まない【彼】。
荒北靖友先輩がいる。
「…」
「ハゥア…ッ」
朝から拝める荒北先輩は格別だ。
あ、ちなみに話したことは無い。
「あー、荒北さんじゃないですか!おはようございます」
「ンだよ真波かよ」
「一緒に行きましょうよ〜」
「ふざけんな。誰がてめェなんかと一緒に行くかヨ」
「良いじゃないですかほらほら〜♪」
「アッ!クソ真波!触んじゃねェよ!!!」
「あはは〜」
荒北先輩の横に青毛の男の子が並ぶ。
彼は確か1年の…
いやいや、何がともあれ荒北先輩の隣を堂々と歩き更には腕にしがみつくなんて…!!
「私…あんなの絶対無理ぃッ」
想像しただけで理性が爆発するんじゃないかって思う。
だからこそ、ここまで思わせてくれる先輩は…
「王子様…!!」
「うっ」
「どうかしました荒北さん?」
「なんか…寒気がした…」
「風邪ですか?」
「引いたら福ちゃんに殺されんだろーがァ!」
「ですよねぇ」
***
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さくみ(プロフ) - これ本当に好きです、、!!続き気になりすぎて死んじゃいそう、です (2019年8月28日 3時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2019年7月10日 21時