烏の中にもう1人の無気力くん

第8話 ページ8

あれから俺がやれることをした



≪彼は初心者だ≫



オレンジ君の試合のプレイを思い出しながら


練習はいつもより少しでも飛ぼうと




「レイ、あのオレンジ君意識している」



龍はパス練をしながら俺に聞いてくる




『うん、でもまだまだあのジャンプよりは全然低い』



俺はあの試合でオレンジくんのジャンプに惚れた


俺はあれだけの高いジャンプをしながら打ててない



あの景色を俺が見てる景色よりもっと高いのか



あの景色は俺にどんな刺激を与えてくれるのか



そんなこと考えるだけで早く見たくなる





「それなら、ここを」




龍は足の裏を刺しながら言ってきたが




『でも、まって休憩』



俺は大きな時計を見て、龍の話に被せる




「休憩はまだ」



龍はため息をつきながら、あと1分も練習出来る


というが、何があと1分だ休憩大事なんだよ





『いや無理』




龍は後ろで何が言ってるけど、休憩は大事なことなんだよっと思いダッシュで体育館の端にいく






あれから仲間からOBの先輩からの指導




「レイ練習やり過ぎるなよ」


『わかってます』



休憩が一番大事ですからなんていうと


先輩は



「やっぱりそこは変わんねぇな」




なんて笑って俺の頭をガシガシと雑になでる



俺は自分の出せる以上試合に力を入れた



戦う試合相手の研究も忘れないように


だけど





新聞の記事には俺達のこと



全国4位！
龍我峰惜しくも敗れる



俺達の試合は終わった




「ありがとうございました」




後輩からのメッセージ入りの色紙にそれぞれにイニシャル入りのタオル




「俺らの後輩はなんていい後輩なんだ！！」




何て叫ぶチームメイト



それからはメンバー皆それぞれの道に




「レイ、ここってなに」


『それはここの公式を使って』




志望校は





『俺のわがままでここまでありがとうな』


『それじゃ…頑張れよ』



「「「おうッ‼」」」





俺の始まり皆に合わせてくれる理由になった



≪小さな人は走り回る姿≫




宮城県立烏野高校






俺はイヤホンを耳からとり周りを見回す




『ここが、烏野…』





少しこれからの高校生活を楽しみにしながら
門をくぐる

第９話→←第７割

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す