19 ページ19
ある日、店を閉めて片付けをしているときだった。
「おい、ここが儲かってるってホントなのかよ？大して金がありそうな店じゃねぇぜ？」
「それが意外や意外、ジジババが集って年金落としてくんだとよ！しかも、店主は前が見えてんのかわかんねぇって聞いたぜ。」
「それ、ぜってー老いぼれジジイだろ！」
大声で笑いながら不穏な会話をする男たちに、残っていたAは怯えていた。
さて、ひよこの頭で前が見え辛いとはいえ気配察知はお手の物、戦闘のプロであるひとらんらんは彼女を気遣わしげに見遣った。
そして、スパルタクスとオプロイテ。彼らは真顔になって武器を手に取り外へ出ていこうとする。
ひとらんらんは必死に彼らを抑えた。外でやるな、中なら汚さないくらいにならやっていい。あとはお持ち帰りして好きに処罰してくれ。ひとらんらんがそう言うと、二人は渋々止まった。
そこにタイミングよく、外で話していた二人組が飛び込んできたのだ。
「おいジジイ！金をだs…」
「ヒャッハー！出さねぇっつーならこのナイフd…」
二人とも、オプロイテとスパルタクスの圧を感じて途中で黙り込んだ。なんなら強盗たちは、見回りで犯罪者を捉える彼らの姿を何度か町で見たことがあった。
「一人、一匹だ。本当は私一人で十分だが。」
「わかってるわよ。こんなテンプレみたいな雑魚、3秒で事足りるわ。」
そう言って一気に殺気を出す二人に、盗賊たちの足はカクカクだ。
「ち、違うんです、これはちょっとした遊びで…」
「そーそー！ガチじゃなくて！」
「「閣下/大先生のような言い訳をするな！見苦しい。」」
ひとらんらんはこの一言を大先生に伝えておこうと決意した。背後のAも大先生のことは知っているのか、「ﾝッw」と堪えるような声を漏らしている。
対して笑う余裕のない盗賊たちはひぇ、と情けない声を上げた。
かくして盗賊たちは捕らえられた。プリプリと怒るオプロイテと、ゴミでも見るような目つきで盗賊二人を縛り上げるスパルタクス。Aが「頼もしいですね！」と笑って言ったのでひとらんらんは少し後悔した。自分がやればよかった、と。
しかし、すぐにAの一言で救われる。
『店主も、ずっと守って下さってありがとうございました！』
「！…みんな怪我なくて、よかった。」
赤くなった頬、ニッコリと笑った顔はひよこの被り物の下。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Iam猫(プロフ) - ごふっ…(尊死) (2023年2月24日 19時) (
レス) @page27 id: 3ca575e283 (このIDを非表示/違反報告)
そや(プロフ) - ココさん» 「採用ッ！！」ボイスの需要高いですよね笑笑楽しんで頂けているなら光栄です。おまたせして申し訳ない…！応援ありがとうございます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: 24954b5e40 (このIDを非表示/違反報告)
ココ - Ht さんの「採用ッ！！」を聞きたくなったのは私だけではないハズ…………とりあえず貴方様に対して叫ばせて下さい。「神か！？」((何週でもさせて頂いております。これからも執筆頑張って下さい。応援してます。 (2020年8月15日 23時) (レス) id: d05d7912b9 (このIDを非表示/違反報告)
そや(プロフ) - えびふらぁいさん» ありがとうございます式挙げましょ((お楽しみいただけているようで嬉しいです、がんばります！ (2020年8月14日 11時) (レス) id: 24954b5e40 (このIDを非表示/違反報告)
えびふらぁい - え、好きです結婚しm((ん"ん"ｯｯ頑張ってください！ (2020年8月8日 8時) (レス) id: 0d40d9cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：そや | 作成日時：2020年2月11日 19時
