浜田中の秀才くん【探偵チームkz】 (ページ5)

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そりゃ私も良いとは思うけど、そこまでじゃないかな…

「相手がアイツらなら、私かなりの犠牲を払っても良い。噂なんかこれっぽっちも気にせん。」

そう言ったマリンはいつになく女の子っぽく見えて、可愛かった

へぇ…そんな風に思ってるんだ

「じゃな」

手を振るマリンに頷いて私は文芸部室に足を向けた

もしかしたらマリンは恋する図書館に悠飛を連れていきたいのかもしれないな…

なんてことを思いながら

「立花彩です。入ります」

部室をノックしてそう言い、中からの返事を聞いてドアを開ける。

中央にある大きなテーブルに向かっていた土屋恭介部長と内藤あゆみ副部長が此方を見た。

その隣に幾人かの部員が居て、一番端に悠飛と柊クンが居た……柊クン！？

え…なんで！？柊クンは特別顧問って訳じゃないし…

ふと皆の方を見ると、何故だか暗い雰囲気が立ち込めていた

「何かあったんですか？」

私が聞くと悠飛は腰かけていたテーブルに片手をついた。

そこに体重をかけ、空中に体を放り出すようにして飛び降りる

「トウナン」

へ？東南…？

土屋部長が溜め息をついた

「学校とか公立図書館の図書が盗まれてるんだよ。このところ頻繁に」

あぁ…盗難ね

「じゃ、俺野球部行くから。Aも来いよ。呼ばれてんだろ？今日は野球部の助っ人だって」

『…はいはい、行けば良いんでしょ』

柊クンの声…すごく透き通ってる

その会話をしていた悠飛に副部長がクスッと笑った。

「もうちょっとゆっくりしてけば？折角柊クンが気になる立花さんが来たんだからさ。」

え！？

悠飛は柊クンの事をガン見した後チラッと私を見る

「A、こいつの事見捨てた方が良いぞ。」

へっ？

「こいつ、センスなくって最低」

ムッ！

「男心分かんなさすぎ」

ムカッ！

「こんなヤツと関わってたら今にどんな火傷させられるか分からん。」

ムカムカッ！

「だからキッパリと手を引いた方が良い。ほら行くぞ」

出ていこうとする悠飛の腕を私は捕まえた。

抗議しようと思ったんだ。

だってセンスないとか最低とか私が一体何したって言うのよ。

男心だってソコソコ分かってるから。

何しろkzには6人もの男子が居て私は始終彼等と一緒なんだからね。

あ、kzというのは私の入っている探偵チームの事。

塾の仲間で作ったんだ。

リーダー若武を中心にして謎を解いたり事件を解決したり時には近況の報告をし合っている。