浜田中の秀才くん【探偵チームkz】 (ページ33)

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32 彩side ページ33

その空間を取り囲む様に色々な部屋が配置されていた

1階にはずらっと本の並んだ書架や閲覧室、マイクロ資料室、視聴覚室なんかがある

2階には事務室、新聞・雑誌閲覧室、AI室、学習支援室、受験室などいくつもの小さな部屋が並んでいた

3階は食堂と売店

そして北側には庭園がありその向こうに倉庫があって渡り廊下で繋がっていた

「恋する燕のモニュメントがあるのはこの庭だな」

真っ先にそう言った若武は白い目で見られ

「食堂って何食べられるんだろう」

そう言った小塚君は溜め息をつかれた

「じゃ役割分担をする！」

リーダーとしての尊厳を取り戻そうとした若武が目いっぱいカッコつけて言った

「上杉と美門は1階を回れ。忍びこめそうな出入口、潜んでいられそうな場所、セキリュティの甘い所をピックアップするんだ。上階に通じる階段も要チェックな。2階は小塚と俺、そして柊でやる。3階は1、2階よりも狭くてほぼ半分だからアーヤ1人で」

了解！

「黒木は係員に接触。親しくなってこの図書館にラベリングしていない本がどのぐらいあるのか、それは何処にあるのか聞き出すんだ、以上。終わったら此処に戻れ。各自奮闘努力せよ。かかれっ！」

若武の号令を受け全員が一斉に自分に割り振られた場所に向かった

私は階段を駆け上がって3階へ

四角の吹き抜けの周りに付いている螺旋階段を上り切るとすぐ左手に料理サンプルの並んだウィンドウがありその奥がレストランだった

内部を確かめたかったけどドアに準備中の札がかかっていたし、もし開店していたとしても注文もしないで見るだけで入って行ったらきっと迷惑がられ、不審にも思われるに違いない

それでもやるだけの価値があるのかどうか、後で若武に相談しよう

レストランの隣はトイレ、さらに隣が売店だった

シャープペンや消しゴムなどの文房具類や、レターセットの他にUSBメモリ、チャームなんかも置いてある

向かい合った燕のマークの入ったファイルやペナント、チョコレートもあった

2羽の燕はきっとこの図書館のシンボルなんだね

お客さんはまだ誰もおらず暇そうな係員が此方をじっと見るので怪しまれるといけないと思いさり気なく通り過ぎた

その隣にはSTAFFONLYと書かれたドアがあり、それで3階は全部だった

私は廊下のベンチに腰掛け忘れない内にそれらをメモした

よし、これで任務は完了だ

集合場所に戻ろうとして階段を降りる