浜田中の秀才くん【探偵チームkz】 (ページ31)

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30 彩side ページ31

「忙しいですか？」

小塚君の質問に高宮さんは苦笑い

「まぁね」

若武が肘でドン、と小塚君をつついた

「忙しいに決まってっだろ。ミリオンセラーのアイドルなんだぞ」

小塚君が申し訳無さそうにするのを見て高宮さんは慌てて片手を振る

「別に良いって。あ、この間、大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)受けたよ」

わぁ、ちゃんと高校生もやってるんだ

「新テストって」

そう言いながら上杉君や翼が身を乗り出す

「どんな感じでしたか？」
「センター試験との違いは？」

大学入学共通テストというのは2020年度から始まる制度で今までの大学入試センター試験に変わるもの

それに備えて今、試行調査が行われてるんだ

私達の大学受験はまだまだ先だけど中高一貫校は高校受験が無いから目指すところはどうしても大学受験って事になる

先生達もよく話に出すし、凄く身近なんだ

それに上杉君達が通っている開生は東大合格者数では35年間連続トップを誇る名門校だから生徒も皆高い意識を持ってて気にしてるんだろうな

「一言言えばセンター試験の過去問のテクニックは通じないってとこかな」

上杉君達の表情が厳しくなった

「記述式部分はそれほどみっちりって感じではなかったけど兎に角問題が長いし表とか資料が幾つも入ってて読み取るのに時間がかかる。問題と関係無い部分もあるし。あれは要領良く読んでいかないとダメだね。国語なんかは表現力や情報発信力が重視されてる感じ」

そうなんだ

「暗記系の勉強はもう役に立たないと思っておいた方が良いよ。でも、君達は」

そう言いながら全員を見回した

「チームを組んで始終会議をしてるだろ。それは社会から情報を察知したりそれを自分の言葉で表現したり吸収したりする訓練になる。きっと新テストに上手く適応出来るよ」

皆の顔がパッと明るくなった

勿論私も！

「それじゃまたね」

そう言ってヘルメットを被り直す高宮さんに柊さんが聞いた

『高にぃ、バイクなの？』

高宮さんはクスッと笑う

「タンデムの後ろだけどね」

用語が分からなくて、私は黒木君に目を向けた

「2人乗りの事」

へぇ

高宮さんが頷き口を開く

「撮影が終わったら急いで都内まで戻らなきゃならないんだ。高速が渋滞してても、単車だったら問題無いからね」

大変だなぁ

『今日、満月だよ』

柊さんがスマートフォンを出し情報を確認しながら言った