29 彩side ページ30
驚いて私達は皆足を止めた
高宮ってクールボーイの？
それに柊さん、【高にぃ】ってどういう関係！？
いや、それよりもこんなとこに居ないよね、トップアイドルだもの
「高宮さんですよね！？」
『高にぃだよね！？』
翼と柊さんが念を押すとその人は顎の下にある
「やぁ」
あ、この声は！
そう思っている私の前でヘルメットを取り首を横に振って頬にまつわっている髪を払う
「久しぶり！」
現れたのはKAITO王子の輝く美貌っ！
心が洗われるみたいに爽やかで気品を感じさせる顔立ちだった
「皆、元気だった？……それと、Aちゃんはその怪我、どうしたのかな？昨日、そんなじゃなかった様な気がするんだけど？」
最初に浮かべた笑みはアイドルそのもの！
でも柊さんの事を聞く時の笑顔はなんだか裏に黒いモノがある様に感じた
……ん？？昨日会ってたの？
『え”…………ぇーと…………………す……すみませんでした……』
「僕が最後に言った言葉、覚えてないとは言わせないよ…？」
『……は………はぃ………』
うっそぉ………あの柊さんが縮こまってる……！
「怪我しない様に、って言ったよね？」
『で、でもぉ…………その………不可抗力……というか……しょうがなかったの……』
「危なかったら帰ってきてって言ったでしょ？」
『…う……うん…………でも……あっちから……殴りかかって来てぇ………』
あの柊さんが押されてる……！？
「…はぁ……今度から気を付けてよね」
『……はい………』
「うん、偉いね」( *･ᴗ･)/
『………ん……///』(°´˘`°)
わ……高宮さん、柊さんの事手懐けてる……！
……翼と上杉君の視線が……高宮さんにグサグサと……
「ﾊﾊ……高宮さんはなんで此処に？」
黒木君が聞くと、翼と上杉君の視線が和らぎ高宮さんがクスッと笑った
「今日、この近くの高速道路沿いの貸しスタで雑誌の撮影なんだ」
へぇ、あるんだ、こんな所にスタジオ
「高校のクラスメイトがこの図書館で受験指導のバイトしてるって聞いてたから激励しようと思って寄ったとこ。来館者が多くなる前に帰ろうと思って急いで出てきたんだ」
そう言えばマリンがこの図書館では都内の有名大学やその付属の中高一貫の図書館研究会のメンバーが勉強を教えたり進路相談に乗ってくれたりするって言ってたっけ
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作者名：驪乃 | 作成日時：2021年6月3日 21時
