浜田中の秀才くん【探偵チームkz】 (ページ22)

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21 彩side ページ22

『確かに、正義の味方は誰かを”守る為”かもしれない。でもそれは悪者もまた同じ』

え？

悪者は誰も守らないでしょ？

『悪者は”自分”を守っているんだ』

あ！

『正義の味方は一般市民を守っているが、なら一般市民を逃がせば良いだけじゃないか。何故悪者を殴ったり蹴ったりする必要がある？それは相手を再起不能にしたいから。攻撃力のある殴り、蹴りをする理由なんてそれしか無い。』

たしかに……

一般市民を逃がすだけでも充分助けられるもんね

『ここで、立花が言った事を掘り出す。立花は”邪魔だからといっても殴ったり蹴ったりしてはいけない”って言ったよね？』

うん、そうだね

『何を邪魔されたの？』

え？

そんなの……

「一般市民を攻撃しようとする事を、でしょ？」

『じゃあ質問をもう1つ』

うん

『”悪者”って別の物に例えるとしたら、何？また、その物の反対を答えて？』

えっと……”悪者”…は悪、だったり闇だよね

悪の反対は善、闇の反対は光

でもこの場合は闇と光の方が適切かな

「えっと、闇、で反対は光、かな」

『そうだね。1番分かりやすいものでありがとう』

良かった！

『はい、なんで闇とか光っていう概念があるのか』

え？

それは……何でだろう

『それはお互いが存在するからだ』

えっと…どういう事？

『闇がなければ光という概念が出来ない。何故って？それを区別する必要がないからさ。逆もまた然り。光があるから闇が存在する』

そういう事か……

『この関係は悪者と正義の味方の関係と同じなんだ。悪者が居なければ正義の味方が存在しないように、正義の味方が居るからこそ、正義の味方が存在するからこそ、悪者が存在してしまう』

そうやって考える事も出来るんだ……！

『まぁ、ここまではただの前おきで、』

前おきだったのね…汗

『此処までの話題も一応必要だったんだよ…。僕の話題は”正義の反対は何”っていうものだっただろ？』

そう言えばそうだね

『此処まで行くとさ、どっちがどっちなんて一目瞭然でしょ？』

えっと………どっち？

『どっちも正義なんだ』

え？

『此処まで話した内容で正義って言うのは”誰かを守る事”だろ？』

そうだね

……あ！

『なら悪者も”自分を”守っているじゃないか』

確かに………

『そして、正義の味方も”一般市民”と”自分”を守っている』

どっちも違うようで同じ立場なんだね