浜田中の秀才くん【探偵チームkz】 (ページ19)

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18 彩side ページ19

若武は中学受験で上杉君達と一緒に開生を受けている

でも落ちたんだ

「お前の偏差値じゃとても足りん」

若武は椅子を鳴らして突っ立つ

「絶対入ってやる！実力テストで上杉、柊、貴様等を抜いてやるからな！」

「おっもしれ。やってみろよ」

『ま、勝手にやってれば？』

若武と上杉君が一気に睨みあっているのを見て私はゲンナリ

さっきの2度と付き合わん宣言はどこいったのよ…

小塚君が焦った声をあげる

「あの、黒木の話の続きは？」

そうだよ…

「黒木今、昔ピアノ習ってたって言ったよね。で、何が憂鬱なの？」

それでようやく若武も上杉君も戦闘モードを解除、柊さんを除いた皆で黒木君の言葉を待った

「トラウマ、かな」

そう言いながら黒木君は片手を広げ、私達の前に差し出す

「親指の付け根を切ったことがあってさ」

指の長い綺麗なその手には確かに大きな傷が残っていた

「今も動かすと痛い気がするんだ」

可哀想……

『いつ聞いても可哀想な話だよな』

「はは。まぁピアノをやってるとその時の事を思い出すしね。で、嫌なわけ」

私達はシーンとし黒木君の両隣に居た上杉君と柊さんが腕を伸ばして黒木君の両肩をそれぞれ叩いた

「いつかゆっくり事情聞いてやるよ。柊と一緒に」

『上杉と同じ時に聞いてやるよ。安心しとけ』

黒木君はちょっと笑い、上杉君と柊さんに頷いてから皆に目を配った

「俺からは以上。次は？」

若武が咳払いをし、話を引き取る