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家に着いてチャイムを押す。
車がないから北斗ママはいないし、自転車がないからお兄さんもいない。北斗パパは出張に行ったって言ってた。
つまり今、この家には北斗1人ってことだ。
待つこと数分。
ガチャ
ドアが開き、
「なに、どうしたのよいきなり、笑」
いつも通り北斗がヘラっと笑った。
演技力には自信あるかもだけど、全然騙し切れてないからね。
濃い隈と過剰に痩せた身体が全てを物語っているから。
お邪魔します、と告げてずんずん北斗の部屋まで進む。
あ、ちょっと待って、と聞こえた気もしたが、無視してドアノブを回す。
案の定部屋の中は物凄く荒れていた。
けど、そんなのどうだって良い。
散乱したものを雑に端に寄せて、ポテチをパーティー開けする。それから持ってきたゲーム機を北斗の部屋のテレビに繋いだ。
「ねぇ、ほんとにどうしたのさ、いきなり笑」
「俺こーゆーのあんまり食べれないって知っ」
『黙って』
ビクッと、北斗が口を閉ざす。
ね、北斗？
私は怒りたい訳でも、蔑みにきた訳でもないのよ
『ねぇ、今日はオールね？笑』
幼馴染と、ゲームしに来たの。
〜〜〜〜
「そのあと、ほんとに徹夜でゲームやったのよ笑」
「うわすっご！」
「え、じゃあじゃあてことはさ？その幼馴染クンは北斗がメンタルフルボッコだったのに気づいて、あえてそんなことしてくれたってこと？え、だよね！？」
「それがさ、俺もそう思ったから徹夜明けの朝5時にね？ありがとうって言ったの。」
「そしたら、なんで？付き合って貰ったのはこっちなんだからお礼を言うのは自分の方だって言うわけよ！」
「待って俺惚れそうガチかっけーじゃん」
「それっきりその幼馴染とも会ってないからさぁ？」
「今度は俺が返しに行かなきゃなのよ」
「うわ〜泣いちゃうって笑」
「マジで49ー！！」
「なんでよ」
「シクシク泣いちゃうってこと！！AHAHAHA！！！！」
「www」
ダメだ、なんにも頭に入ってこない。
嘘、こんなこと、え、？なんで？夢？
あれ、疲れすぎた？働き過ぎ？まぁ私ったら可哀想に。
やっぱりクリスマスイブに1人は悲しかったんだろうか。
なにも理解できないが、
自分の頭が麻痺してバグが起きているのだけは分かる。
もうその後なに歌ってるのかなんて
全然、これっぽっちも頭に入ってこなかった。
SixTONESの出番が終わって数分後
まだ状況が整理できていない私のところに
一本
prrrr prrrr
電話がかかってきた
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作者名：青林檎 | 作成日時：2024年1月9日 12時
