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そして迎えた翌日。
待ちに待ったひと月に一回程のペースで髪を整えにやってくるAちゃんの来店日。
なんで必ず19時半からなのかと言えば簡単で、そのあとに他のお客サンの予約がある訳でもなければ、北斗たちは戸締りよろしく〜って帰るから。つまり半強制的に2人きりの空間を作り出すことが出来るってこと。
10時半
「まっじで樹くんちょーお久じゃん！？全然予約取れなかったんだけど！！寂しかったなぁ〜♡」
「あは笑いやたまたまっすよ笑オレなんて全然なんで。で、倉谷サン今日どーしますか」
12時
「吉川サンそろそろ決まりましたか〜？笑」
「うーん、いちごミルクにするか、ツートーンで紫ベースにしてみるか、、あっ青とグレーでも良いかも！待ってあえての金髪もアリ！？」
「やー吉川サンなんでも似合っちゃうんで迷いますね〜笑思い切ってこの色とかはどーすか？笑」
「え〜でもやっぱりこっちのこういう…」
「あははー笑(おいおいそろそろ20分経つぞ)」
13時半
「あ"ーー巻きでやったけど結局30分押してるって、、」
「お疲れ〜昼いる？」
「無理、、食べる時間ねぇ、、」
15時
「っと、こんな感じに仕上がりました〜」
「うーん、、もうちょっとここ短くして欲しくってぇ、あと前髪あと1ミリ上でぇ。あーこっちはもう少し…」
「ハイハイなるほど、(お任せでっつっただろうが！つか途中で都度都度確認したよな！？)」
16時5分
「死ぬ、、今日まじ死ぬ、、」
「樹ー？高橋さん来店されたよー？」
「予約時間より25分早いけど！？！？」
18時40分
「ねぇー絶対樹くん遊んでる系だよねぇ？私相性いーと思うんだぁ♡ね、お試しで良いからやってみない？♡」
「はは笑オレけっこーシャイボーイなんでね笑うぶで純粋さんなんすよ笑」
あと1時間、あと1時間で会える。
アクシデントも多かった今日も、全部このあとの1時間半の為だと思って乗り切った。
「でね〜？私その時さぁ、」
カララン♪
『あの〜、18時半のAです。遅れてすみません、、』
「いえいえ全然平気ですよ！今日担当する�眞呂任后�よろしくお願いしますね！」
「…っえ？」
「樹くん？」
「あ、えっと、いや、、はは笑で、どーしたんすか」
「(どういう、こと、？)」
はくはくと浅く呼吸をするばかりの口と、カタカタ小刻みに震える手をなんとかしなければいけない。こんな状態でお客様の髪に鋏を入れてはいけない。
それは、分かっている
分かっているけども、
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作者名：青林檎 | 作成日時：2024年1月9日 12時
