美容師も楽じゃない#1〈jr〉 ページ21
カララン
「樹くんほんとてんさぁーい♡この後って」
「あはは笑あざましたぁまたお願いしゃーっす」
時刻は19時ちょい過ぎ。これで今日はラスト。
「ん"あ"ーーーっっ、」
「じゅりお疲れぃ」
「きょもぉ、オレあの手のお客サン無理なんだけどーー絶対毎回ラスト枠取ってワンチャン狙ってる系のぉ！」
「モテんね羨ましー」
「感情どこ置いてきたの？？」
それよりコレねと渡された明日の予約表を、若干眉に皺寄せながらするすると見ていく。
「げっ、塚本サンいる、、」
「あーあの例のボディータッチ激しめの？笑」
「そぉそーその人、、あれ北斗？」
振り返るとシメのほうきがけをしていた北斗がオレの手元の予約表を見ていた。
「うーわ明日怒涛の5連カットカラーパーマなんだけど」
「んはオモロ」
「感情どこに置いてきたのよ」
北斗さっきの樹と同じようなこと言ってるじゃんときょもが言い、後ろでは「マジどんだけ〜〜〜！！」「AっHAァ！！AHAHA！！！」「ジェシーうるせぇ！！」
、、、
「部活かよ、、、。」
渋谷のまぁまぁイイトコにあるオレらの美容院はかれこれ開業して5年くらい。幼馴染、学友、出会い方は色々だったが結局6人で集まったオレたちで仲良く経営していた。まぁ今こうしてまだ二十代のオレらがこんなトコで出来てんのも、ジェシーの圧倒的コミュ力＋人脈とそれぞれの技術能力の高さあってこそだけど。
「(16時半高橋サンがカットカラー、18時半塚本サンはカットオンリーで、19時半は、)」
「あ、」
「どしたー？」
「、んやなんでもない笑」
「ちょっと樹なぁに1人でニヤニヤしてんのよ笑」
「指名予約びっしりで売れっ子のキブンになっただけー」
「えー普通にいつも指名なしのがレアじゃない？」
「、、まーまーまー」
19時半 カット A
いつもは滅多なことがない限り19時半からなんてやらない。し、やりたくない。ウチのサイトだって予約は18時半までしか取れない。
でも、
〜〜〜
『いつも19時半からが良いって樹さん言うけどさぁ？私最終時間の18時半予約でも行けるよ？ほら、こんな遅くになると他のスタッフの皆さんも帰っちゃうじゃん』
「いーのいーの。オレAちゃんと話すの好きだし」
『まぁたそうやって陰キャで遊ぶ、、。それ誰にでも言ってるんでしょ？女の子取っ替え引っ替えしてるといつか刺されるよ？？』
「だから彼女も女のコもいないって言ってんじゃん！」
〜〜〜
「んふ笑」
「だから何よ！！」
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作者名：青林檎 | 作成日時：2024年1月9日 12時
