Je t'aime〜愛しの彼との短編集 (ページ20)

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これといって取り柄もなくて、

貴方に比べたら遥かにちっぽけな私が

隣にいても良いのでしょうか？

『私、多分いや絶対釣り合ってないよ？』
「んなことないだろ笑」
『良いところも無いし』
「だからそんなことないだろって」

『、、、本当にいいの？』

「俺はAが良いの」

信用ねぇなぁと笑う貴方に、よろしくお願いしますと伝える。
するとぱっと向日葵みたいに笑顔が咲いた。あぁ眩しいなぁこの人は。ほんとハイビームみたい。

「あ、雪」

不意に呟かれ、反射的に窓の外を見るとはらりと雪が落ちてきていた。もしかしてとそのまま視線を上に向けると、案の定シンボルツリーにも金のベルはつきっぱなしだった。

『ふふ、笑』

「なんかあった？笑」

少し気まずそうな、金のベルの樹の下で。

〜数年後の、某日〜

「実はあの時会社的にAが辞めるのって不可能だったんだよ」
優吾が唐突に切り出したのは私が夕食の支度をしてたときだった。
『いやいやそこだけ言われると私よく分かんないって』
「つまり、人手不足だったのに優秀なAを辞めさせるなんて会社的に無理だって言われてたの」
『、、待って待ってじゃあつまり私にプロポーズする前から着実に進めてたってこと？』
「、、、まぁまぁまぁそれは良いとして！」
いや良かねぇよと思うも、取り敢えず話を聞こうとぐっと言いかけた言葉を飲み込む。
「そんときに、じゃあオレがその分埋まるから高地のお願い聞いてやって？って言ってくれて」
『え、誰が？』
「ほら、Aのイケメンな先輩」
『、、えっ京本先輩が！？』
「先輩って言っても俺らより一個年下だけどな笑」
『、、、え！？！？！？』
「あれ、言わなかったっけ？通称京本先輩って人は俺の１つ後輩の大我で、都内のあの支店にずっといたから後から異動でAが入ってきたときにノリでオレ年上って言ったらバレなかったってくだり」
『いや全っ然知らなかった』
嘘でしょ？？？ここにきて衝撃の事実なんですが
『今も私敬語でやり取りしちゃってるって、、』
「うわ〜言わない方が面白かったやつじゃん笑」
『絶対タメにしよ。あー、でも辞めるにあたってめちゃめちゃお世話になったってことだよね、』
「物凄くな笑」
『あーーーーどうしよーーーー』
「www」

〜〜
「っくしゅん！」
「きょも風邪？だいじょぶ？」
「、、こりゃ高地がなんか話したな」
「樹ーきょもー、ジェシーが高地ん家の最寄りの飛行場までの切符取ったってー」