Je t'aime〜愛しの彼との短編集 (ページ14)

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「え、ちょ、今なんて言った？」

『だから、そうだよって。』

「、、、いやいやいや待ってよ、えだってまだ〇〇たち年中さんだよ？好きな人とかそういう感情ってもっと先でしょ」

少なくともオレの記憶だと年中、つか小学校高学年くらいまでは恋愛なんてなかったはず。あり得ないあり得ないと、心の中で全力否定する。

『最近の子はませてる子が多いからね。あの男の子のお母さんとも仲良いけど、あの子お家で〇〇のことばっか話してるんだって笑』
なんだか嬉しくなっちゃうねぇ笑、〇〇のこと好きって言ってくれる子が多いみたいなの笑とAは笑った。

いや全っ然笑えないからね！？しかもうちの娘モテるの！？まぁ確かにめっちゃ可愛いけど！！あぁオレの馬鹿！ちょっと考えれば〇〇がモテまくっちゃうことくらい分かるだろ！

あぁ〜、と頭を抱えているオレにAがこの際だから言うけど、と前置きしてから

『〇〇も好きな人いるんだよ』

と、くすくす笑いながら言ってきた。

、、、おっと、危うく卒倒するところだった。

待って待って、だってついこの間まで大きくなったらパパと結婚するって言ってたじゃん。え、ちょっと一回落ち着かない？冷静になって考えてみようよ。うん。深呼吸してさ、整理しよ？、、、全然無理だった

つか誰だよ。うちの娘に近寄る馬の骨は一体どこのどいつだよ。一回話してみないと気が済まない。あわよくばその場で、、まぁ取り敢えず、ソイツが誰かを知る必要があるから、「、、、オレよりそんなに良いヤツなの？」と、聞いてみた。

それで返答が、『うーん、そうなのかも？笑』っていうまさかの肯定だった。流石にオレが負けるわけ、と思っていたから心臓が軋む。でもここで名前を知った上で相手より自分のが上なことを証明しないことには何も始まらない。

だからAに、「ソイツの名前は？」と聞いた。オレは至って真剣に言ったつもりなのにAは更に大爆笑し始める。そして、

『樹くんだって笑』

「、は？」

衝撃的な名前を告げた。
え、いや、てっきりクラスの男の子かと思ってたから。予想外の人物に空いた口が塞がらない。しかもよりによって樹！？うわぁ、駄目だよ〇〇、メンバーとしては勿論良いヤツだしオレも大好きだけど。

アイツはやめといたほうがマジで良いって。ほら、ジェシーとかならまだ確かにってなるんだけどね。、、いやそうじゃん！なんで樹なんだろ？メンタルはズッタズタだが、ここまで来たら聞くしか無い。