はじまりのメロディ Ym×Cn (ページ19)

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「もう嫌だよ…」

「ち、ねん？」

涼介は立ち上がってぼくの元へ来ようとした。

「来ないで！」

だけど僕はそれを拒んで、目が見えにくいながらも走ってトイレへ逃げた。

「知念！どうしたの！？開けて！」

急いで涼介も追いかけたみたいで、ドアの前に立っている。

「もう、もう嫌なの！」

「どうしたの…」

こうやって逃げてばっかで…僕は涼介に迷惑ばっかりかけてる。

「知念、俺の話聞いてくれる？」

僕がドアを開けないのにしびれを切らしたのか僕とドアを挟んだ向こう側で話し始めた。

「知念が最近苦しんでいるって言うことはわかってるよ。ただ理由はわかんないけどね」

一つ一つ僕の気持ちも考えて丁寧に話しかけてくれる涼介にまた涙が出てくる。

「でもね知念が前俺に言ってくれたじゃん。涼介が悲しいと僕も悲しいって。俺も一緒なんだよ？」

そこまで言うと、涼介は黙ってしまった。

「あの、涼介？」

「知念？」

「な、なに？」

「知念が悲しいと俺も悲しいんだよ。知ってる？」

少し涙声な涼介。

「なにがあったか、教えてくれるかな？」

嗚呼。

僕、涼介に捨てられてないんだな。

どうして言わなかったんだろう。

この人は信頼していいんだな。

強く思った。