はじまりのメロディ Ym×Cn (ページ15)

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あれから数日。

回復のために毎日薬を飲んだり、眼球をマッサージしたりした。

だけど、

「知念。なぜかわからないが薬が全然効いていない。このままいくと…完全に見えなくなる」

やっぱり。

もう回復なんてできないのだろうか。

病院に行くのなんて、いいことなんかない。

いいことといえば、宏太との仲だけがどんどん良くなっていく…と言うことぐらい。

あれから、ドラマの仕事は蹴った。

まだ、新ドラマだったからキャストも変更する事が出来た。

監督には事情を伝えた。

「僕は知念君にこの役をやってもらいたかったな」

少し悲しそうに呟いたその言葉に返す言葉はなく、ただただ自分の情けなさに唇を噛んで耐え続けた。

僕だってやりたかった。

せっかく来たドラマの仕事。

やめることになるとは、思ってもいなかった。

雑誌の仕事だけはまだやっている。

ファンの方は、僕のことをどう思っているのかな？

公にしているしているわけじゃない。

ほんの一部の人だけ。

涼介とは会ってない。

メールも電話もたくさんきた。

だけど全部、見て見ぬ振りをした。

こんな僕、合わせる顔がない。

そんなことを思っているうちにもう春になろうとしていた。

そう、僕と涼介が出会った春。