【REBORN!】最恐なお姉ちゃん。-7- (ページ17)

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206話ページ17

スローモーションの様に、窓の外へと落ちて行く手榴弾を見た。

まるで時が止まったかのように、その手榴弾は宙を舞う

その先は、下に待ち伏せている黒服の男達と

｢っ、藍、一樹っ！｣

自然と、意志とは関係せずに動いた体は窓から飛び跳ねた

後ろから綱吉の叫びなん聞こえず、無我夢中にその手榴弾へと手を伸ばす

止まれ、止まれ、止まれっ

その手に届かず、落ちていくのは私と手榴弾で

下には大勢の黒服と、藍と一樹の姿があった

そこに落ちるのは、数秒も掛からないだろう

｢A！！｣

｢...っ、｣

名前を叫ぶ彼の声が聞こえる。それは一瞬で、落ちる体を彼に抱きとめられ片方で鞭を手榴弾を掴み、空へと投げ飛ばした

バゴンッ！と爆発音が地面に着地した時と同時に鳴り響く

彼は私をそれから護るように、彼の胸板に顔を押し込んだ

｢A様ぁ！？｣

｢会長！｣

心配そうな声を上げて、駆け寄って来る二人を隙間から見えた。

｢...はな、して｣

｢っ、わ悪ぃ！！｣

ハッとなった彼は慌てて私から離れると、顔を真っ赤にして手で隠した

彼の行動に気にする理由でもなかったけど、その時は何となくじーっとモジモジする彼を見つめていた

｢お姉ちゃん大丈夫！？｣

｢...綱吉、｣

二人と同様、心配そうに2階の窓から叫ぶ綱吉に大丈夫、と伝えた

怪我はしなかった、私はあのままだったら受け身すら取れずに大怪我していたかもしれない

もしかしたら、死んでいたかもしれない状態だった

それを、彼は私を抱きとめて救ってくれた

怪我をしなかったのも、彼のお陰

｢A様本当に大丈夫ですか！？何処か痛いとこありませんか！？私たちが着いていながらキャッチもできずに...っ！ああ、ご無事で何よりです！！｣

｢会長、あのお方は？｣

取り乱している藍と、冷静さを保つ一樹が目線で指すのは彼、

黒服に囲まれている彼は赤ん坊が言う"ボス"なのだろう

いや...違うか

彼が言う、私にはない"信じる"からこそ出来る強さ。

信頼し、信じるからこそ今さっき手榴弾から仲間を守れたのだ

私には、出来なかった

｢彼は...ただの、知人さ｣

｢...そうですか｣

彼にはあって、私には無いもの。

その差が、今ここにある。

所詮は私は子供で、彼は大人だ

でも、それでも

｢ムカつくね｣

力の差がここでも付いたことに、腹立ちを覚えるしかなかった