ドライな恋

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ちょうど1か月前、理くんたちのバンドが休止した


理由は、大希くんがバンドに海外の機材を取り入れたいと言い出したらしい。
お金もかかるし、なにより人脈がないことに始まらないと彼は言ったらしく、
海外を拠点に少しの間日本を離れることに。


大希くんに加え、理くんも海外で声楽を学びたいと
思っていたらしく、今回大希くんと一緒に
海外に行ってしまった。



遊くんと和輝はすぐ近くにいて、会える距離だけど
理くんにはすぐに会えなくなってしまった


＿＿＿＿＿＿＿

1か月前






A「あ、和輝だ。早いね」


新井「お、おーA」


A「どしたの？そんな沢山ゴミ出して」


新井「あー…ちょっと片付けしてて。」


A「あ、そうなんだ！もうあっという間に年末だもんねぇ〜」




こんな会話をしている頃、理くんの引越し作業をしていたらしい。

そう、理くんは私に何も言わず、そしてメンバー全員が私に何も教えてくれないまま2人は海外へ行ってしまった。



＿＿＿＿＿＿＿




A「最近理くんと全然会わないけどちゃんと生きてるのー？笑 ご飯食べろって言ってよ？笑」



新井「あー、実は、さ、。」



A「ん？」



新井「大希と、理……海外行ったんだ」


A「……え、？」



新井「言ってなくってごめん。言うなって言われてた。理に。悲しませちゃうかもしれないからって」


A「そんなの……酷い。そんなこと言われたって言ってよ！もう会えないじゃん……っ、！」



新井「俺だって言いたかったけど……！Aが悲しむからって理に言われたらそんなん言えないじゃん…」


A「最低……っ、和輝のバカ！！！」



新井「Aっ、！」




アパートの廊下で響き渡る私と和輝の声
最後に残ったのは私がドアを閉めた音だった。



A「っ…ひどい……最低っ、」



部屋に入るなり玄関にしゃがみこんだ
涙が止まらず、気づけば日もくれていた



私を悲しませるって……そんなの今知っても反動で余計悲しくなる。
急いで携帯を見ても理くんの連絡先は知らない間に消えていた

だが大希くんが残っており、その場で涙を拭きながらかけてみると2コール目で電話に出た


常田「……ごめんな」


A「もういいよ……、もうどうにも出来ない。」



常田「1年したら帰るから。理連れて戻るから」


A「理くん……ご飯食べてる？」


常田「食ってるよ。お前に会いたいって言いながらな」


A「……ばか」

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