悲しい物語。 (ページ4)

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ⅲ、ページ4

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次の日の、塾の帰り。

今までとは違う、

昨日の路線の改札に足を運んだ。

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ホームの上を見上げて

電光掲示板を確認する。

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……たしか、あの電車だったよね？

昨日より早く駅に着いたらしく、

1本早い、快速の電車がホームに着いた。

いつもだったら、その電車乗るんだろうけど……

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アナウンスとともに私の前を走り出した電車。

その5分後に来た各駅停車。

階段から一番近い4号車。

相変わらずほとんど人が乗っていなくて、

昨日座った席に座る。

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……あの人はどの駅から乗ってくるんだろう

昨日は寝ちゃったから、今日は起きていて

あの人が降りる駅までちょっとでもいいから

話せたらいいな。

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……あれ？

昨日と同じ居心地の良さ……

あっ！！

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「……起きた？」

隣から昨日と同じ優しい声。

顔をあげると昨日と同じ黒い帽子に

マスク、サングラスをした男の人。

でも昨日は黒いジャージだったのに

……今日はすっごくオシャレな私服。

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「私……また…寝ちゃってたんだ…」

ここでようやくぼんやりとしていた頭が動き

状況が分かってきた。

どうやら、起きてようとしたのに

昨日のようにいつの間にか寝てしまっていたらしい

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そしてまた、次の駅が彼の降りる駅。

あーあ……もっと話してみたかったのに。

だって、彼は多分……

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「疲れているんだよ。

毎日夜遅くまでお疲れ様。」

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……ほら。

甘くて、優しい言葉をくれる。

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