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【53】不安定 ページ10

怪盗キッドside

下見を終え、予告状に騒ぎたてるニュース番組をただぼーっと見つめていた。

予告時間は真夜中…0時を回った頃で、警察等は前日から準備を進めていたからか、取材に自信満々で答えていた場面には思わず笑ってしまった。

白いシルクハットを被り高層ビルから飛び降りると、ハンググライダーが大きく開き急行上して行く。

大きな美術館と、その周りを囲ってキラキラと光るパトカーと警備員の行列を見下ろして近くのビルに立つ。


「Ladies and…gentlemen!」

「今宵の前夜祭…我が肢体が繰り出す奇跡を、とくとご覧あれ。」









「まて!キッドぉぉおお!!!」

今回は少し手こずってしまった…あの美術館は鈴木財閥も関わっている、もしかしたらあの名探偵がついてたからかもしれないが。

それにしても、今回割と本気で捕まえるつもりだったのだろうか、中森警部はいつもより眉間に皺を寄せて叫んでいた。

それを交わして屋上まで辿り着くと、大量にいる警備員に化けて飛び降りる。空中でいつもの服装へと着替え、ハンググライダーを開こうとしたが、何度も何度もファスナーを引いても開かない。何処か故障してしまったのだろうか。


「うわ…やべぇやべぇやべぇ!!!」


どんどんと迫ってくるコンクリートに焦りながらとにかく服にある全てのファスナーを引くと、大きなクッションのようなものが落ちる。

でもそれはあまり耐久のないもの。少なくとも大怪我は逃れられそうだが。

咄嗟に受け身をとりながら着地するが、多少左腕と左足を打ち付けてしまい打撲の跡がくっきりと残ってしまった。

急いでクッションを回収して路地裏へ逃げる。もう一度ハンググライダーが開くことを確認し、屋上まで登る。何故あの時開かなかったのかは不明だが、とにかく大怪我にならずに済んだことに安心。


ハンググライダーを開き、もう一度屋上から飛び降りるが、腕の打撲のせいでうまくコントロールできずにふらふらと安定しない状態で空を彷徨っていた。

取り敢えずパトカーを巻く。このままじゃ墜落しかねないと思い、咄嗟に近くにあったアパートに降りた。

「飛ぶのは流石に無理そうだな…」

ふと目の前にあるビルに目を移すと、静まり返っている中の一部屋、ベランダの淵に寄りかかり外を眺めている女性が居た。真夜中で人気も少ないため、一際目立つ彼女は異様な空気を纏っていた。

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あいりす(プロフ) - えっ!!凄い!オリジナル…(感激)語彙力からまとめる力から全てが神がかってる!!!めっちゃ応援します!更新待ってまーす♪ (8月18日 21時) (レス) id: ef45f85bc9 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです。オリジナルが多くて驚きました。 (8月17日 16時) (レス) @page20 id: 2876b83137 (このIDを非表示/違反報告)
流百(プロフ) - 単純に嬉しいです。軽く泣きそうです。頑張ります!!!! (2023年3月6日 17時) (レス) id: d8225e9a51 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 絵もお上手ですし文も読みやすい…!これは伸びるやつだ!更新頑張って下さい〜! (2023年3月6日 0時) (レス) @page2 id: 925a09eca2 (このIDを非表示/違反報告)
流百(プロフ) - まみこさん» ありがとうございます!コメント本当に励みになってます! (2023年3月5日 22時) (レス) id: d8225e9a51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流百 | 作成日時:2023年3月5日 21時

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