あれ、私普通の警察官ですよね？【2】

【61】親切 ページ18

『つまり、貴方と貴方のご友人は解剖時に腐敗を取り除き、死亡推定時刻を遅らせた…実行はしていないものの、貴方がお金を渡したことによって解剖時に協力した人物もいるはずです。』

『それらの人も罪は重いですが…自分以外の他人を巻き込んだ貴方はその何倍も罪は重いです…その事をしっかりと自覚してください。』


「そんな事お前に言われる筋合いは…」

『憎んでたんでしょう？被害者の男性。貴方は米花病院が誇る医者の一人です…その男性も優秀な医者でした。しかし彼は悪く言うと不謹慎で、あなたは医者として向上心が高く、仕事場の空気を乱す彼が許せなかった。』


「っそうだ！…あいつなんかより俺の方が…」

『憎むのは自由ですが…殺すのに意味はありません。つべこべ言わずに相手に勝ればいい話です。』

「っ…」

男は諦めたように突然大人しくなり、核心をつかれたようで何も言い返せないままパトカーへと乗せられる。

「はは…殺人犯に説教なんて、随分と親切だなあんた。」

『…なんのことだか』

次の言葉を聞く前に、素早くパトカーのドアを閉めて目暮警部の元へ向かう。

すると、すれ違いに先程の犯人の男が乗ったパトカーが通っていく。男と目が合うと、窓越しに律儀にに頭をぺこりと下げられた。

さっきまでの傍若無人な態度とは見違えるほどに落ち着いた様子…まぁ殺人犯に同情する事はできないし、しない。

目暮警部に話しかけようともう一度足をすすめるが、一通のメールによって止められる。

この時間帯に来るメールは一つしかない…風見さんからだ。こうして合うのは初めてのため、時間に余裕を持ちたかったが…結局そうはいかなかった。

「20時半に警察庁前で待っていてくれ」

今回は仕事について風見さんに色々教えてもらうことになっている。因みに20時から1時までみっちりと…自分が面倒くさい以前に本当に申し訳ない。相変わらずブラックだな…日本の警察は。

てか…風見さんじゃなくて風見先輩の方がいいのか…？一応同じ部署で働くことになってるし。だとしたら佐藤刑事も佐藤先輩なのか？…先輩の基準は難しい。


_________________________

本当にお久しぶりです。長い間更新できずすみません…

少しずつ更新頻度を増やして、様々なキャラクターをバンバン出していきたいと思っています。

相変わらず誤字は多く、文脈も出鱈目ですが少しずつ修正を入れて少しでも皆様が読みやすいように心掛けていきます。

今後とも宜しくお願いします。

【62】徹夜→←【60】推理

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す