ね ページ22
『こんばんは〜、はじめまして、俺、Aです〜!』
半「恐ろしい恐ろしい…。」
『え、何に怯えてるんですか。』
今夜来た鬼は、頭に大きなコブ(?)を携えた小さいお爺さんだった。
此処に来てからなのかよくわからないが、恐ろしいしか言っていない。
人間──初めて子供が連れてこられた──は持ってきてくれたらしいが…、俺を食べるようなそぶりも見せないし…。
……もしかして、俺、人を沢山食べているから多少強く見えるようになってきたのか…?!
『俺って強そうですか?!』
半「お主のことをゆうているのではない…。」
目は殆どが白眼(赤色)の三白眼のようになっていてよく見えないのだが、その黒目にはしっかりと"上弦の肆"と刻まれていた。
ですよね、十二鬼月様ですものね…。
『ええと…、お名前伺っても…?』
半「…半天狗じゃ。…お主が稀血の鬼で間違いないか…?」
本当にこんな感じの人が強いのか…?
いや、強いはずだ、きっと戦場になったら変わる類の鬼なのだ。
見た目が…とか、雰囲気がないとか、そんなこと考えるな、少なくとも人生の先輩なのだから。
『はい、それ俺です。何処か食べたい部位などあれば取りますけど。』
最近はもう痛みがどうでも良くなってきたので、自分で手足を取ることができるようになった。
ただ、臓器系を取り出すのは気分を害すので苦手無理。
内臓とかも鬼によっては好きなのかもしれないけれど、俺はあまり好きではない、独特の苦味がある。
半「両足と片手だけで良い…、早く用意してくれ…。」
『少々お待ちを…、はい、どうぞ〜。』
え、俺肉屋か何か?
と思うかもしれないが、最近こんな感じで対応することが増えた。
そのあと話して帰る、という形が基本となりつつある。他の鬼と話ができるということで俺としては満足なのだが、側から見たら多分抱腹絶倒モノである。
半「ここはいつあのお方がいらっしゃるかもわからんからな…、恐ろしい恐ろしい…。」
なるほど、そのような理由で恐ろしかったのですね…、少し残念に思っている俺がいる。
そう言って俺の手足を抱えた半天狗さんは、鳴女さんの力を借りて帰っていった。
俺も、もうそろそろ血鬼術とか使えるようにならないかな…。
血鬼術は何かしら人間時代のものから影響されてできることが多いと──これまた童磨さんから──聞いた。
俺が生前どのような人間だったかはわからないが…、どんな能力が出るのかな、なんてお気楽なことを考えていた。
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串(プロフ) - 罷免さん» はじめまして、コメントありがとうございます。どツボにハマって頂けましたか…!正直癖の強い作品だと思っていたので、罷免さんを含め多くの方に評価して頂いている事実に毎度驚愕しております…。これからもちゃんと更新するので、作品共々よろしくお願いします! (2020年2月29日 2時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
罷免 - どツボです…更新ありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - はじめまして、コメントありがとうございます。楽しんでもらえるよう、予測できない展開にしようとこんがらがり気味ですが、面白いと言って頂けて嬉しいです!無計画なので変な点もあると思いますが、是非最後までお付き合いください。これからもよろしくお願いします! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
アクトレモン(プロフ) - とてもこの作品が大好きです!!今まで見たことがない展開などとても面白いです!更新頑張ってください (2020年2月27日 11時) (レス) id: 4bdd481c8a (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - ウルさん» はじめまして、コメントありがとうございます!会話文だけの夢小説が苦手だったので、情景や心情描写を出来るだけ挟むようにしていたのですが…、まさか読者様の妄想の糧になっていたとは思いませんでした笑 応援とても嬉しいです、これからもよろしくお願いします! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:串 | 作成日時:2020年2月15日 20時