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無「…!……ようやく完成したか。」



誰のかもわからない、ぼそりと吐き出された独り言で目が覚めた。


『ここは…何処だ……?』


上半身を起き上がらせてみると、目の前には1人の男。
体は特に違和感はないのだが、服や畳には吐血や踠き苦しんだ際にできるような爪の跡が残っている。
そして今俺が座っている場所も場所である、このような複雑怪奇な屋敷になど、一度も上がった記憶はない。

そもそも、何故か一切記憶がない。

これは一体、どういう状況なのだろうか。


『あの、ここ何処です?』



白い洋服を纏った──壮年期辺りだろうか──俺が目覚めるきっかけとなった色白の男性に向けて放った。

だが、






無「そんなことはどうでもいい、まず"味見"をさせろ。」


そんなことと済ませられた俺の問いかけは
全く持って無視され、俺は腕をもがれた。


一瞬にして距離を詰め、瞬きする暇もなくなくなってしまった腕には、流石に言葉が詰まるほどには驚かされた。
…少なくとも、この動きは人間業ではない、人型の人間ではない何か、そのような生物が存在していたのか?



『………痛い、んですけど、何…やってくれる、んですか。』


だくだくと溢れ出る血が流れ出る腕の付け根を抑え、警戒する態勢を取る。


…こんなことになるなら、武道の授業をもっと真剣に受けておくんだった。



出血した理由の張本人は、俺が睨みつけているのも一切気にならないのか、俺の(ものであった)腕に興味津々な様子。

スン、と匂いを嗅いでから、俺の腕は徐に口元に持っていかれた。

何こいつ、人肉嗜食(カニバリズム)趣味の人…??



無「…ふむ、悪くない。味も強化能力も人間の頃と同じだ。」

みるみる骨になった俺の腕はそこら辺に投げ捨てられ、数秒後にカラン、と俺の骨が奈落の底に当たった音がした。
例の男は顎に手を当てながら今度は俺本体を見つめている。


『あの、俺っていつ人間やめたんですかね。』



ジト、と見つめ返すと、



無「何を言っている、お前はもう既に"鬼"だ。」

という返事が返ってきた。

……?????

鬼とは???????


いい歳した大人が何を馬鹿げたことを…。



『…ふざけてます?鬼なんて存在するわけないじゃないですか。
というか俺みたいな一般人誘拐しても、何の得もないですから。
早く出頭して俺を解放してください。』


そう言おうと思ったのだけれど、







言い切る前に俺は腹を貫かれていた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 男主 ,   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 罷免さん» はじめまして、コメントありがとうございます。どツボにハマって頂けましたか…!正直癖の強い作品だと思っていたので、罷免さんを含め多くの方に評価して頂いている事実に毎度驚愕しております…。これからもちゃんと更新するので、作品共々よろしくお願いします! (2020年2月29日 2時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
罷免 - どツボです…更新ありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして、コメントありがとうございます。楽しんでもらえるよう、予測できない展開にしようとこんがらがり気味ですが、面白いと言って頂けて嬉しいです!無計画なので変な点もあると思いますが、是非最後までお付き合いください。これからもよろしくお願いします! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
アクトレモン(プロフ) - とてもこの作品が大好きです!!今まで見たことがない展開などとても面白いです!更新頑張ってください (2020年2月27日 11時) (レス) id: 4bdd481c8a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ウルさん» はじめまして、コメントありがとうございます!会話文だけの夢小説が苦手だったので、情景や心情描写を出来るだけ挟むようにしていたのですが…、まさか読者様の妄想の糧になっていたとは思いませんでした笑 応援とても嬉しいです、これからもよろしくお願いします! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月15日 20時

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