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童磨side

「教祖様、信者になりたいと申すものが参りました。」

童「いいよ、入っておいで。」

『失礼します。』

入信したい、と言うその青年は堂々としていて、何の悩みも抱えていなそうな快活な表情をしていた。
そしてこの匂いは───稀血だ。

『こんにちは、あの、此処って新興宗教の万世極楽教…ですよね。』


此処は万世極楽教の…、なんで言うのかな、まあ西洋で言う教会みたいなところ──西洋事情は後にAに聞いた──。
信者のみんなが、俺に悩みを聞いてほしくて集う場所だ。
可哀想な信者たちは、極楽が存在すると信じて今日もまた俺を崇めに来る。
毎日、可哀想な人間の為に話を聞いて、涙を流し、そして救ってあげる。
これが俺の仕事、なのだが。

『正直信者にはなるつもりはないんですけど、少しの間通ってもいいですか。』

此処に、こんなにも目が据わった人間が訪れるとは。しかも稀血の。

目が据わっていると言っても、好奇心からか探究心からか、キラキラと目を輝かせながら俺に話しかけてきた。
一応、俺も、万世極楽教の教祖なのだけど。

童「君は…、何か辛いことや苦しいことはないのかい?」

『いえ、無いことはないですが、それに興味がある分には立ち向かうことが好きなので。』

其れなのにこんなところに来たのか、と思わず呆れてポカンと口を開けてしまった。
本人が極めて普通そうに言って除けるものだから、そんな細い体躯で何が出来るのかと笑ってしまいそうになった──流石に堪えたが──。

…此奴は面白い、普段は稀血だったらすぐ食べてしまっていたが…、もう少し生かしておいても良いくらいだ。
丁度話し相手が欲しかったのだ、暇つぶし程度にはなる。

童「ところで、君の目的は何だい?
救いを求めているわけではないのに、なぜ此処へ来たのかな?」

1番気になるところを聞いてみると、

『ただの調査ですよ。
俺は、お国のために働かなければいけないのです。
此処にいる人たちの心理状況を分析して、このような現実逃避ばかりしている人たちを出来るだけ減らし、健全な幸せを求めさせるために。』

『そもそも、この国で崇められるべきは天皇様です。このような宗教は認められません。
しかし、まずは信者が何故この宗教に走るのかの根本的な部分を考える必要がありますので、これから観察させてもらいますね。』

このような答えが返ってきた──この時彼は何故か心底詰まらなそうな顔をしていたが──。

お→←ゐ



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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 罷免さん» はじめまして、コメントありがとうございます。どツボにハマって頂けましたか…!正直癖の強い作品だと思っていたので、罷免さんを含め多くの方に評価して頂いている事実に毎度驚愕しております…。これからもちゃんと更新するので、作品共々よろしくお願いします! (2020年2月29日 2時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
罷免 - どツボです…更新ありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして、コメントありがとうございます。楽しんでもらえるよう、予測できない展開にしようとこんがらがり気味ですが、面白いと言って頂けて嬉しいです!無計画なので変な点もあると思いますが、是非最後までお付き合いください。これからもよろしくお願いします! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
アクトレモン(プロフ) - とてもこの作品が大好きです!!今まで見たことがない展開などとても面白いです!更新頑張ってください (2020年2月27日 11時) (レス) id: 4bdd481c8a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ウルさん» はじめまして、コメントありがとうございます!会話文だけの夢小説が苦手だったので、情景や心情描写を出来るだけ挟むようにしていたのですが…、まさか読者様の妄想の糧になっていたとは思いませんでした笑 応援とても嬉しいです、これからもよろしくお願いします! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月15日 20時

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