ケージ:100 ページ4
どーぞ、と手渡されてお礼と共にそれを受けとる。
久しぶり。確かに、そうかもしれない。鬱さんと最後に顔を合わせたのはいつだったろう、と考えてすぐには思い出せないことを鑑みるに、それなりに日数は経っているらしい。
鬱さんの言葉を頭のなかで反芻しながら、今度こそ書類の束をしっかりと全て纏める。
それにしても、奇遇だ。探そうとしていた矢先、会えたのはきっと幸運だった。大事な書類を抱えて色んな場所を動くのは、少し不安だったから。
トントンさんからの言伝てで鬱さんに預けるようにと、と付け加え書類を渡すと、鬱さんはあー、と苦虫を噛み潰したような顔をしつつもそれを受け取った。
「失くしそうでいやなんよなあ、こういうの。……そいや、もう大丈夫なん？」
聞いてもよかったんかな、と気まずそうに鬱さんが頭をかく。
彼がロボロさんとの……彼絡みの一件の事を言っているのはすぐにわかった。私も、そのことについて鬱さんには謝らなければいけないとずっと思っていたから。
「ご迷惑をおかけして、すみませんでした……失礼なことも、たくさんして……本当に……。わたしは大丈夫です。」
ありがとうございます。絞り出すようにそう言って頭を下げれば、心臓の奥の柔らかい部分がぐじゅりと嫌な音を立てた気がして怖くなった。
……どうしてだろう。
違和感に人知れず戸惑っていると、そかー、と鬱さんがのんびりと微笑んだ。
「やー、みんな心配しとったんよ？シャオロンなんか死にそな顔してAがAが〜って騒いで、メンヘラみたいやってんまじ。きもちわる！なあ？」
茶化すように鬱さんが顔をしかめた。シャオロンさん。後で彼にも挨拶に行かないといけない。随分と顔をあわせていなかった。失礼を詫びなければいけない。
肯定も否定もしていいのかどうかわからず、曖昧に鬱さんに微笑む。
と、それまでニコニコと微笑んでいた鬱さんから表情が失せた。
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
