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コネシマ隊長の率いる第二遊撃班隊員の死亡率は、軍を抜いて高い。
最前線で戦う隊であり精鋭の集まるそこでは、まるで消耗品のように、戦争の度に人員が入れ替わる。
実際軍にとって、そして隊長にとって隊員は消耗品だろう。コネシマ隊長は100の為に1を切り捨てられる人だ。国の為なら、隊一つくらい壊滅しようと後ろを振り向かずに前に進むことができる。実に合理的だ。
しかし、軍は、コネシマ隊長は、非常に残酷であるけれど冷酷ではないことを、私は知っている。
軍基地の片隅。澄みきった湖の見える森の奥。
しゃく、しゃくと土がシャベルで掘り起こされれる音と低い声。それにあわせ、規則的に金色の髪が揺れて木々の間からこぼれる月明かりを反射しきらきらと光る。
芝生の上に膝をつき、真っ白な軍服の袖を土で汚しているのはコネシマ隊長だ。
その手には、先日の戦争で死んでいった隊員の腕章がある。名前の刻まれたそれを、隊長は一つ一つ丁寧に土に埋めてゆく。
コネシマ隊長は、後ろを振り返らない強い人だ。けれど、それは過去を省みないという訳では決してない。
彼は振り返らない。けれど、何度も立ち止まる。
これは、コネシマ隊長の部下への『弔い』だ。
黒地に、金糸があしらわれた空色の腕章。それは第二遊撃班隊員の誇りだ。
中にはボロボロになり、腕章としての形を保ってないものや生々しい血痕の残るものもある。刻まれた名前すらもう読めないものもざらにあった。
しかしどうして、どれが誰のものなのかコネシマ隊長にはわかるらしい。エーベルハルト、レオン、カール、彼が先程から腕章を埋めながら呟く名前は、亡き隊員たちの名前だ。
腕章の数は決して少なくない。けれど、コネシマ隊長が部下に命じてそれを手伝わせることは一度としてなかった。手ずから弔うことに、意味を見出だしているようだった。
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上原蒼(プロフ) - この小説めちゃくちゃ好きです。寥、銀世界、を読んだときに心がきゅっとしました。語彙力なくてうまく伝えられないのですが、こんな感じのすきなのでテンション上がりました((更新頑張ってください応援してます。 (2020年3月19日 20時) (
レス) id: 908de47cf9 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - ラスさん» ラスさんはじめまして。コメントありがとうございます。ぜひぜひ！自分の描いた文章が漫画になるなんて夢みたいです……嬉しいです。差し支えなければ、完成した際にはぜひ私にご一報ください。(見たいので！！) (2020年3月18日 18時) (レス) id: bceee2f54e (このIDを非表示/違反報告)
ラス(プロフ) - 大変失礼だということは充分承知しております。が、どうしても欲求が抑えきれず、このようなお願いをしている形になります。もちろん個人観賞用ですので晒したり、自作発言などは一切しません。良いお返事が帰ってくることを期待しております。よろしくお願いします。 (2020年3月18日 10時) (レス) id: b23ccd4b10 (このIDを非表示/違反報告)
ラス(プロフ) - 初めまして。好きでs(((失礼しました。敬愛する貴方へ。を読ませていただきました。文の中に惹き込まれるような素敵な物語でした。ここで失礼を申してお願いがあります。個人観賞用として物語に沿った漫画を書かせていただきたいのです。(続きます) (2020年3月18日 10時) (レス) id: b23ccd4b10 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - ビリーさん» お返事が遅くなりすみません。申し訳ない、だなんてそんなことはないですよ！好き、だけで充分です。とっても嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年2月24日 9時) (レス) id: bceee2f54e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年1月13日 21時
