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『ごめん。私たち別れよ』






家に帰ると神妙な面持ちのAが。話がある、とリビングに座らされ、まさかなと思っていたらそのまさかだった。本人は例年より演技に力を入れているようだが、嘘をつく時の癖__髪を触ったあと指を膝の上で組む__が出ていた。
マジか、という驚きと伊吹への謎の苛立ちで数秒固まってしまった。




そっちがその気なら。






「……理由だけ、聞いてもいいか」






『普通に、好きじゃなくなった』





嘘つけ、昨日も酔って好き好き言ってたじゃねぇか。






「そうか。無理、させてたんだな。ごめん」






Aの顔を見ると、いつネタばらししてやろうかというワクワク感が滲み出ていた。大方成功とでも思っているのだろう。






ツーと頬を流れる感覚。Aには言ったことがないが、実はいつでも泣けるのだ、演技で。花粉症も相まってボロボロと涙が零れてくる。
鼻を啜ると、ハッと顔をあげるA。






「悪い、かっこ悪いよな」






『えっ…』







「行く宛ては、あるのか?」






『えっと…』






「なら俺が出ていくよ。あれだったら家具とかも捨てても良いし、なんなら家を売ってくれても『かずくん!』








「なに?」







『あの、今日、エイプリルフール…』







凄く申し訳なさそうな顔で告げるA。
知ってるよ、とはまだ言わない。







「は…」






『別れるの、嘘…』






「……楽しかったか?」





『えっ?』





「俺が、まんまと騙されてるのを見て、楽しかっ
た?」






『あのっ…』






「Aがそんな奴だと思わなかった」







『かず、くん…』






「…ふはっ笑」





限界だ、色々と。突然笑いだした俺を今にも泣きそうな目でみつめるA。







「エイプリルフール、なんだろ?」






そう告げると、何故かまたみるみるうちにAの目に涙が溜まっていく。抱き締めると子供のように腕を背中に回し、泣き出した。






「悪い、やりすぎたか」





『だってかずくん怖いんだもん''ん''ん''ん''』






頭を撫でると少しずつ静かになっていく。
抱きついた体制のまま、蚊の鳴くような声で''本当に嫌われたと思った"と。









「どんな夏帆も大好きだから安心しろ」

飲みすぎ注意_リク→←エイプリルフール



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みみっく(プロフ) - nartosasuke1010さん» 了解しました! (2021年4月15日 12時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
nartosasuke1010(プロフ) - ありがとうございます!伊吹と仲が良い主人公。それが気に入らない志摩。嫉妬する感じを書いて欲しいです! (2021年4月13日 19時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - nartosasuke1010さん» ぜんっぜん大丈夫です!!嬉しいです! (2021年4月13日 18時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)
nartosasuke1010(プロフ) - リクエストしたいです!いいんですか? (2021年4月8日 17時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
みみっく(プロフ) - 宮本麻衣さん» 拙い文章でご満足して頂けたなら光栄です…!! (2021年4月8日 17時) (レス) id: d5fadfa717 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みみっく | 作成日時:2021年2月11日 20時

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