志摩ちゃんうふふ。 (ページ31)

今日:32 hit、昨日:51 hit、合計:128,818 hit

__ ページ31

「なになに～？志摩ちゃんそんなに俺に会いたかったの～？も～寂しがり屋なんだから～」

「はいはい分かった分かった」

「返事適当過ぎない？！」

相変わらずうるさい。足以外ピンピンしてんだからコイツも書類整理しろよ。病室に持ち込んでやろうか。
本格的にそんな思考になりかけ、違う違うと意識を伊吹に戻す。

「で？見せたいものって何？もしかしてきゅるっとした女の子とか？あ！ハムちゃん？！えー！ハムちゃん来てるのー！？」

早とちりもいいとこだな。こっちが何も言っていないのにそれだけで盛り上がれるのは逆に尊敬する。

「シエラ」

未だ隣でキャーキャーと騒いでいる伊吹を無視して、
他の犬たちと走り回っていたシエラの名を呼ぶ。
突然知らない単語を叫んだ志摩を不思議そうに見つめる伊吹。え？志摩ちゃんどしたの。そう伊吹が口にしようとした時、猛スピードで何かが志摩に突っ込んで行った。

「おー、楽しかったか」

「ﾎﾞﾌｯ」

伊吹は固まった。だってあの志摩が。冷静沈着(仮)でいつも伊吹の事を軽くあしらっているあの志摩が、謎の犬を前に見た事の無いぐらいの笑顔を浮かべているのだ。

「志摩…犬飼ってたんだ」

「あぁ、違う。警察犬のシエラ・アベルト・レーベン。トレーナーが怪我して入院してるらしくて、隊長が世話しろって連れてきた」

「シエ…なんて？」

「シエラ・アベルト・レーベン。俺の相棒」

「ちょっと待ってそれは聞き捨てならないわ志摩ちゃん。志摩の相棒は俺でしょ？」

「でもお前仕事出来ないだろ」

「そうだけど！そうだけど志摩の相棒は俺じゃん！
なぁシエラちゃん。志摩の相棒は俺だよ？」

「おい」

「シエラはさぁ、志摩の待て聞けるの？志摩の気持ち分かるの？志摩が喜ぶことできるの？」

「おい犬相手にマウントを取ろうとするな。ちなみにお前が言ったの全部シエラ出来てるぞ」

どちらかと言えば伊吹といるより疲れないし幾分か楽だ。それを言ってしまえば本当にうるさくなるし少し可哀想なので留める。

志摩の相棒はおーれ

ﾎﾞﾌｯ

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿______

まだ書きたい事があるのですが、とりあえず「色んな相棒」は一旦おしまいとなります。気が向いたら続きを書こうと思います。作者