志摩ちゃんうふふ。

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「志摩、来てたのね」






桔梗だった。出勤時間なんだから来ますよ。来てなかったらあなた怒るでしょう。そんなボヤきは声になる前に消えた。それよりも今志摩の体に乗っかってしっぽを降っているソイツが気になりすぎる。






「隊長、コイツなんでここに？」






「その子ね、警察犬なんだけどトレーナーが事故で入院してて。代わりのトレーナーも居ないって言ってたから、あぁ、うちにも余ってるのいるじゃん、って」







「余ってるの…」






「どうせ1人で暇なんだし、伊吹と大して変わらないと思うから。それにその子ベテランよ？」







「2週間俺が世話をしろと」






「頼むわ。エサと散歩はちゃんとしてね。緊急要請が入ったら…一緒に行ける場合は連れていくこと」







「はい。ちなみに名前は？」







「シエラ・アベルト・レーベン。この子はシエラで全然伝わるみたい。あ、女の子ね」







シエラ…カリフォルニアかどっかにそんな山あったな…名前が長いのは聞き間違えない為。伊吹なら3秒で忘れるだろう。
エサの時間・量・散歩の時間などを告げ、シエラの頭を撫でた後、桔梗は足早に去っていった。









エサの時間もまだな為、志摩はやらなければいけない書類に手を出した。さすが警察犬、吠えることもなく静かに志摩の足元で伏せている。まだそんなに触れ合っていないのに志摩に懐いているのは、志摩から何か感じているからなのだろうか。

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